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第二章

25.近況報告~ジリアンside

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早いもので、エリーゼが学園に入学して三か月が過ぎた。
そろそろ長期の休みに入る頃、実家に帰ると手紙を貰い、安堵した。


長期の休みは実家で過ごし、半分は伯爵家で過ごした後にはクレセント公爵家。
私の実家で過ごすように手紙に書いておいた。


クレセント家は長女夫婦が後を継いでいる。
姉が跡継ぎとなり義兄は婿に迎えられているがとても仲睦まじい夫婦だった。

姉は私とは違い幼少の頃から体が弱かった。
子供も中々できなかった事を責め続けていた姉を見るのは辛かった。

けれど、そんな姉を慰めたのはエリーゼだった。
当初、私がエリーゼを身ごもった時は安産だったのだが、生まれてすぐはそれはもう大変だった。


あっちこっち転がって、使用人を困らせ泣かせることは多く。
歩けるようになったら今度は好奇心旺盛で手がかかって仕方なく、私とエリーゼの攻防戦が続いたのだけど、姉は常に優しくエリーゼに説き伏せた。


エリーゼも姉には大人しく聞かざる得なかった。
怒るよりも優しく説き伏せられる方が効果的だったのもあるけど、エリーゼと姉は相性が良かったようだ。


母も厳しい方ではあったけどエリーゼを可愛がってくれて、姉はエリーゼを我が子のように可愛がってくれて、私がハイネを出産する時も邸に来て上の二人を見てくれた。


三人を平等に可愛がってくれていても、姉はエリーゼを特に可愛がっていた。
その理由は、エリーゼの名付け親が姉であることもそうだが。

一時は自信を無くし、精神的に参っていた姉の心を支えてくれたのはエリーゼだった。

エリーゼの存在に救われたのは姉だけではない。
病弱で、子供も産めない体質の姉を見るのが辛かった母も父もエリーゼのおかげで姉が明るくなったことを心から喜んでいた。


だからこそ、エリーゼが馬に蹴られて傷物令嬢と噂を流された時。
普段温厚な姉が怒って大変だった。


王族に抗議して訴えるとも言い出していたので、正直ゾッとした。

今でも王族に思う所がある両親を安心させるためにも是非クレセント公爵家に行って欲しい。


ロミオ様と仲睦まじい姿を見ればきっと納得してくださるはず。


ただ問題は…


「ジリアン」

「旦那様」


頭を抱えている私はもう一つ問題があった。


「院長先生から手紙が来ている」

「またですか」


私は現在、次女の事で頭を抱える日々を送っていた。
エリーゼの事に手を掛け過ぎた所為なのか、それとも私の育て方が悪かったのか。

非常に悩んでいた。


「あまり気負わない方が良い」

「ですが旦那様、私の教育が間違っていたのかもしれません」


カトレア修道院。

由緒正しき修道院で院長先生は元高位貴族でもあり、多くの貴族の行儀見習いを受け入れておられた方。

厳しさと優しさを持ち合わせる方で、淑女の神様とも呼ばれていた。

あの方ならばと思いマリアンヌを預けたと言うのに。


修道院ではマリアンヌが度々問題を起こす為、どうしたものかと頭を悩ませていた。


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