冷遇ですか?違います、厚遇すぎる程に義妹と婚約者に溺愛されてます!

ユウ

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第二章

22.視線の違い

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私の悪口を言っていた令嬢は彼等の登場により、舌打ちをしていた。

ここで私を批難すれば、立場が悪くなるのは明白だからだ。


「しかし、ロニー。流石だね?学年で二位を取るなんて」

「勉学だけですよ」

「そんなことはありません。殿下の努力の賜物です」

「ははっ…ありがとう」


傍からスコットが賛美をする。
相変わらずだと呆れながらも何時の間にか生徒会役員が集まっている所為で悪目立ちをしていた。


「しかし、ロニーを抜いて一位とはすごいな」

「サーシャ、君は過去の代表生徒の中でもダントツだな」

「そっ…そんな、私なんて」


やっぱりヒロイン。
いや、サーシャの魅力なのかもしれない。

控えめで謙遜するサーシャだが、暗いわけでもない。
むしろ明るく優しく聡明で愛らしく真面目とくれば非の打ち所がない。


生徒会の人間は既にサーシャにメロメロか。


ふと、ロミオ様の視線を見ると…。


愛しい物を愛でる目をしている!
これは既にサーシャに惚れているのね?

そうなのね!


ライバルがここまで多いから大変かもしれないけど、私はロミオ様を応援するわ。


他の方達には悪いけど、円満に行くには障害が少ないロミオ様と結ばれた方がい良い気がする。

ロナウド様には本家悪役令嬢がいるし。
それに、ゲーム上ではハッピーエンドでも、現実世界は厳しい。


サーシャは平民故に、向かう先は茨の道だ。
ゲーム上ではエカテリーナ様が後見人になるけど、貴族派に付け入れる隙を与えてしまうし、派閥的問題もある。


でも、伯爵家ならどうだろうか。
高位貴族ではないし、父君は宰相殿でもある。

他国にも顔が効くし、王子妃よりも自由なのだから風当たりも幾分かマシなはずだ。
サブリナ様もお優しく、身分で差別するような方ではない。

私も友人として手助けできる。
何より王族派筆頭の令嬢から婚約者を奪ったという噂は恐ろしいのだ。


うん、やっぱり王子妃よりも。


伯爵家の嫁よね!


「エリーゼ、何をブツブツ言っているんだ?」

「お義姉様?」

「聞いてませんわね。それにしてもロミオ様はエリーゼ様を見つめ過ぎですわ」

「そうか?」


私が一人計画を立てている間にこんな会話がされていたなんて私が知る由もなかった。



そしてこの時、ロミオ様が愛でる様に見つめていたのはサーシャではないことすら気づいていなかった私だった。


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