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149最後の始末

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まさに生き地獄だ。
サンドラの両親は現在まだ貴族籍にいるが、今回の事で全ての地位は奪われる。

とは言っても既に地位などないのだが。
言って見れば崩落寸前の城を持っているに過ぎなかったが、無いよりもマシだ。


年齢もまだ若く、健康的な二人は今から娘の看護の全てを任され。
尚且つ刑務所の雑務をさせることになるが、ある意味では死んだ方がマシだろう。


食事も貧相で、外の世界を見ることができる事はない。
どんな生活が待っているか簡単に想像できるだろうが、世間から同情されることはない。


「仲良し家族ですもの」


最悪の余生だな。





「…というわけだ」


「本当に容赦が亡くなって来たな姫様」


「いい具合にあの腹黒皇太子…いや今は侯爵家に婿入りしたが」

「本当に恐ろしいな」


リディアが日に日に逞しくなる。
しかも質の悪いことにテレシア王女殿下とは異なり頭が良すぎる故にどうしたら自分の手を汚さず確実な方法で相手を殺せるか。

しかも敵に最大限の大劇を与えながら自分の打撃は最小限にする方法を熟知している。


「既にヴィッツ家の二人は拘束され逮捕状がつきつけられてるだろう」

「ああ、裁判するまでもない」

「弁護士はつかないだろうな…」


残った貴族派もすべて粛清された。
本当に後始末は大変であったが、これで全てが終わったというべきか。


「全て終わってないだろう」

「まだ何か…あ」


チャールズにサインを送られて気づく。


そうだったな。
目の前にいるこの罪作りな男をどうしてくれようか。


「何だよ。そんな目で見ても俺はお前の気持ちに応えられねぇぜ?」

「貴様は何処まで私を馬鹿にすれば気が済むのだ」


ここは一生変わらないな。


「何だシオン、そんなに俺が好きか」


ふとディアッカと視線が合い私は素直に思いを伝えた。


「ああ。好きだ」

「は?」

「俺はディアッカが好きだぞ」


今になって思い知る。
俺は本当に友人に恵まれていたな。

こんなにも頼りになる友を持てた事を幸福に思うよ。
あの時ディアッカが差し違えてでも役目を果たそうとしているの知って私は騎士としてあるまじき行為をした。


国の利益の為に常に感情を殺す。
それが騎士としての在り方だと士官学校で教わって来た。

それでもだ…


「俺はお前が好きだ」


「おい…」


「シオン、お前の真っすぐな所は嫌いではない。しかしな…」


ん?
二人は真っ青な表情をしている。

何故そんな表情を。


ゆっくりと後ろを振り向くと。


「失礼しましたぁぁぁ!」

「え?」

給仕係が急いでそのまま去って行く。


「シオン、とりあえずお前はもう少し場所を弁えろ」


「無理だろ」


二人が頭を抱えなにやら内緒話をしていた。


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