婚約者が隣国の王子殿下に夢中なので潔く身を引いたら病弱王女の婚約者に選ばれました。

ユウ

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144誘惑と罠~サンドラside②

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流石魔女の媚薬だわ。
あの堅物のシオンが一瞬で落ちるなんて。

「サンディー嬢!何をするんだ…止めてくれ」


だけど、まだ完璧じゃないわ。


「早く心を私に…大丈夫よシオン。私が愛してあげるんだから」

もう姿を偽る必要はないわ。
ボタンをはずし首元に手で触れながら耳元に唇を寄せて囁く。

震えて可愛いわ。
脳内で悔しがるハズレ姫を思い浮かべると笑いがこみ上げる。


「サンドラ…」

「そうよ。貴方の愛する婚約者よ。本来ならこれば正しい道…だってそうでしょ?」

貴方は利用されているだけ

第一あんな色気もない女に惹かれるなんておかしいわ。

「今すぐ楽にしてあげる」

ボタンをはずし肌に触れて行く。
こうして触れる事はなかったけどいい体をしているわ。


私には相応しくないけど、仕方ないから許してあげる。
シオン如きが私と交われるんだから幸せでしょう?


「やめっ…」

「大丈夫。貴方の子は私が産んであげる。そうすればあの女は殺せるわ。そうよ…王妃も国王も処刑してしまえばいいの」

「何を…」

「だって邪魔なんだもの。ルーアンが王家は皆殺しにして国を乗っ取ると言っていたわ。王族派の貴族は要らない。王族も…貴族が国を動かすのよ。平民は道具…奴隷になるの」


そうよ、誰もが平等な世界なんて絵空事よ。
ただの子供じみた理想でしかないのだから。


「既に準備は整っている。邪魔な王族を潰し、私達で国を…その為にも愛し合いましょう」

シオン、貴方は私の言う通りに動けばいいの。
だって今までそうして来たじゃないの?

悪い悪女に騙されなければ私の言う事を聞いてくれたはずよ。
なのに余計な入れ知恵をされて…可哀想なシオン。


あんな女に騙されて。

「シオン…」

「サンドラ…」


フフッ落ちたわね。
私を熱い瞳で見つめる表情ですぐに解った。


完全に私の虜だと。
シオンの服を引きちぎり私はこのまま交わる為に最後に小瓶を取り出し口に含んだ。


本来なら少量が望ましいと言われたけど。
全部シオンに口移しで飲ませて私の操り人形にしようと思った。

この際シオンが死のうがどうでもいい。
私の願いが果たされるなら、私を抱ければ満足でしょう?幸せでしょ?

だから死んでもいいわ。
おかしくなってもどうでもいいの。




口移しでシオンの口に入れようとした。


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