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138私の思い、皆の思い~ニナside①
しおりを挟むその日私はシオン様の命令により下町に来ていた。
ある男の情報を強いれる為に、何時もは通らない裏路地に向かった。
「ニナ…」
「ベルモット」
変装したベルモットと合流し、渡されたのは地図と薬だった。
「やはりあの男、無茶をしたみたいね」
「ディアッカは…」
「最悪の状況よ。捕まったみたい」
「あの馬鹿…」
貴族の残党はディアッカを敵視邪魔に思っていた。
ただ少人数ならばディアッカも捕まるような馬鹿な真似はしないわ。
でも数とがまずかった。
「相手が裏社会でもそこそこ名の通っているから」
「なんとかしてディアッカを助けないと」
ここまで大事になるとは思わなかった。
余程ディアッカが邪魔なのね。
「あの馬鹿油断したわね…急ぎましょう」
「ええ」
仮面を渡されて向かった先はある貴族のお邸。
そのお邸では仮面舞踏会を催している傍らで人身売買を行っている。
すべてオークション形式で。
「リディア様の読みは当たりましたわね」
「けれど、このような強引な手を使われるとは」
私も驚きだわ。
当初はディアッカが無茶なをしようとしているのを察しても手立てがなかった私は一人で調べて潜入しようとしたけど、ラインハルト様に見つかり拘束された。
「ニナ」
「リディア様…申し訳ありまえせん」
拘束された後に連れていかれた場所はかつてリディア様が使われていた王宮の別邸だった。
「貴女が最近噂の空でしかも情緒不安定気味だった事は気づいていたけど。まさかこんな無茶を」
「返す言葉もございません。ですがどうか‥今回限りはどうか!」
リディア様に迷惑をおかけしてしまった等侍女失格だわ。
「どのような処分も受けます」
「ええ、貴女のした事は無謀以外の何物でもありません」
リディア様の表情はとても厳しいもので、私は唇を嚙みしめた。
「貴女に謹慎を命じます」
「リディア様!」
「これより私の命である場所を調査に向かいなさい。協力者には連絡してありますわ」
「それは…」
「ベルモット嬢だ」
渡された書類には地図が同封されていた。
それだけではなくある貴族の邸の仮面舞踏会の招待状だった。
「リディア様…」
「ディアッカ先生を殴って来なさい」
「え…」
悲しそうに微笑まれるリディア様は私の気持ちもディアッカの思いを知っておられるの?
「国の為に犠牲は必要になるでしょう。ですが、今はその時ではないわ。彼ほどの才を持った人材が何処にいるというのかしら。教養高く、政治が語れ、他国にも簡単に潜入できる人材が」
「物事の本質を理解している官僚も片手で数える程。しかもそう言った人間は既にご高齢だ」
ラインハルト様もご存じだったのね。
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