婚約者が隣国の王子殿下に夢中なので潔く身を引いたら病弱王女の婚約者に選ばれました。

ユウ

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131不穏な動き

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真夜中、部屋に現れる彼に私は早々に情報を得た。
貴族派の残党が集まり良からぬ事を考えているという情報を入手した。


「そうか、やはりサンドラに接触を」

「はい、利用価値があったようです」


最悪のパターンを想定していた私は母上と兄上と協力して貴族派の残党。
大義を持たない、欲深い連中のリストを貰い、サンドラの監視を頼み込んだ。


「いかがいたしますか」

「貴族派の力ある貴族が倒れた今、その下の者が欲を持つだろう」

サンドラを上手く操って王家を潰そうと考えるのは解る。
しかし相手は中々頭が切れる。

何らかの方法で私に接触するだろう。
ディアッカは刺し違えてでも貴族派を潰すだろう。


「何としても早急に奴等のアジトを見つけ出し、野望を砕かなくてはならない」

「まさかディアッカがこっそり残党狩りをしていたとは」

「このままではディアッカの身が危ない」


盗み聞きをしてしまったその三日後の事だ。
ニナから相談を持ち掛けられた。


ディアッカが無茶をしようとしている。
そしてその三日後信頼出る人物から情報を得た。


「ベルモット嬢が陰で貴族派の行方を探っていたとはな」


「彼女は平民で、仕立て屋だ。貴族の邸に入り込むのはたやすいだろう」

彼女が懇願して来たのはディアッカが自ら犠牲にしようとしている事を聞かされた。


貴族派はディアッカにより計画を潰されたも同然だ。
だからこそ、逆手に取ろうとしている事を知った私は直ぐに行動に移した。


「甘かったんだ…私は」

血を流さずに済めばいい。
貴族派の力を無くせば後は我が国の法律を信じようと思った私が馬鹿だった。


守る為には時には手段を選んでいる時ではない。


「私は鬼になる。ディアッカを守る為にも」


サンドラをこのままにしておけない。
そして残りの貴族派を残らず始末しなくてはならない。


「シオン…」

「チャールズ、私は…」

無理に冷酷な男になるな。

心を捨てるな。


そう言ってくれたディアッカ。

だけどその言葉に甘えすぎた。

だから私は…


「これから私は鬼になる」


ディアッカを犠牲にしない。
貴族派は一人残らず捕らえ、全ての元凶となったあの一家を完全な形で潰そう。




その代わりあの頃の約束を破ってしまう。


『お前は日の当たる場所にいろ』

『だが!』

『汚い仕事は俺がする。だが光の下にいないとだ出来ない事がある。俺を信じろ』


既にあの時から覚悟を決めていたんだろう。


その約束を違える事になる。
この身を汚す事になるだろうが。


それでもお前を失うわけにはいかないんだ。


国の為にも。

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