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104仕組んだ男~ディアッカside
しおりを挟む盛大な挙式に披露宴を終えた後に王都はスキャンダルで騒がれていた。
そして貴族派を潰すべく俺達には休みがなかった。
「貧乏暇無しか」
「実際動いているのは私達だ。働け!」
「ちゃんと物証を見つけて証拠を突きつけているだろうが」
疲れたた表情のチャールズ。
連日徹夜程度でこの体たらくとは情けないな。
「勤務中にワインを飲むんじゃない」
「王妃陛下にいただた年代物だ」
貴族でも滅多に飲むことができない上物のだ。
今回は流石に色々疲れたし、この程度の褒美をもらってもばちは当たらないだろう。
「勿論酔うなんて馬鹿な真似はしねぇよ。この後も激務なんだよ」
現在社交界は大騒ぎだ。
この騒ぎに乗じて色々としでかす連中が出てくるだろう。
ヴィッツ家を釣り上げてても、全て終わりじゃない。
「あの甘すぎる判定は、世間を味方につける為と、残党狩りの為だろう」
「ああ、薬の入手に関してもだが、サンドラを捌くにしても証拠が少ない。現場を押さえていないし、直接手を下したわけではない以上はな」
本当に法律とは面倒なものだ。
第一、どんなに罪に手を染めていても有罪に出来る証拠を見せろなんて無理なんだ。
だが、証拠が甘い状態で裁けば非難を受ける。
だから俺は進言したんだ。
数日前――。
「ヴィッツ家に情けをかけろと?」
「はい」
「正気ですの!」
「静かにテレシア」
あの茶番劇が終わった後に俺はヴィッツ家の裁きについて進言した。
勿論普通に考えても領地剥奪、貴族籍除籍した後に平民となり島流しとなると誰もが思うだろう。
だが、その一方でヴィッツ家が利用されたとも考えられる。
深い事情を知らない第三者はそう思うだろう。
ずる賢いサンドラはどんな手を使ってでも悲劇のヒロインになろうとするだろう。
だからこそ、俺は先手を取ることにした。
あれだけの事をしておきながら慈悲を与えた姫様に第三者はどう思うだろうか。
「降格だけだなんて」
「甘いと思われるでしょうが…社交界に居続けるのは果たしてどうでしょうか?」
「え…」
ペンは剣より強しとよく言ったものだ。
例の記事でヴィッツ家の権威は失墜している。
「敵意に満ちた中で社交界に出る事の恐ろしさは殿下もご存じなはずです」
「それは…だけど甘すぎるわ」
まぁ、噂で人を殺せるだろうが、そんな可愛い性格をしていない。
ならばある程度ダメージを受けてもらう。
そして最高の形で地獄に叩き落してやるぜ。
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