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98公開処刑
しおりを挟む三人が連行された後にヴィッツ伯爵家と深いかかわりがあった貴族派。
王族派を潰そうと馬鹿な事を考えてた輩も罪を暴かれ、拘束されることになった。
「何故私まで!」
「闇オークションで麻薬売買をしていたんですから当然でしょう?楽しかったですかハニー?」
「なっ!」
ニヤニヤ笑うディアッカに、貴族派の筆頭メイヴィス公爵は絶句した。
「随分と可愛い出手紙で驚きましたよ」
「何故貴様が…」
「後、これも」
随分と分厚い日記だ。
悪趣味にレースがつていおり少女が持つようなものだ。
「まさか…お前がダーリンか!」
「本当に笑えますね。社交界でふんぞり返っているアンタがあんな趣味…」
「やめろぉぉぉ!」
ようするにだ。
メイヴィス公爵家身分を偽って近づいたと。
「察するにディアッカは王妃陛下の命令で近づいたのだろう。公爵は少し変わった性癖をだな…」
あの悪趣味な日記を見る限りあっち系か。
そう、言うなれば体は男で心は女性。
「美男子を侍らすのが趣味らしい…」
「私は人種差別するつもりはないのだがな」
だがやっている事は許されるものじゃない。
水軍ギルドは半分以上はそういった人種が多いが、法に触れるような真似をしていない。
心が乙女でも、その心意気は海の男だ。
相手を権力でねじ伏せる真似は絶対にしないのだから。
「公爵が闇オークションで買い取ろうとした男は俺の部下。あのオークションもフェイク」
「何だと!」
「でも安心してください。今頃邸は家宅捜索になっているんで物証がざっくざっくですよ」
「そんなことが許されるわけ…」
「許されるんですよ?アンタの妻が許可を出しているし、既に証言も得ているんでね?そうそう、離縁の手続きを早々にして出家しましたよ」
流石ディアッカ先手を打ったな。
ここで捕縛したとしても権力と財を使って釈放する方法はある。
政治的な理由もありそこまで重い罪にでできないのは奥方が同盟国の高位貴族だからだ。
だがその奥方が離縁してくれれば何もできない。
「貴様ぁぁぁ!」
「卑しい身分の人間以下に騙された気分はどうですかね?本当に騙しやすかったですよ?」
「あああああ!」
悲鳴が木霊する。
これ以上の公開処刑はないだろう。
長年隠し通して来た性癖を晒され、ずっと馬鹿にしていた男に知らず知らず好意を抱いていたなんて。
これでドボンだな。
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