婚約者が隣国の王子殿下に夢中なので潔く身を引いたら病弱王女の婚約者に選ばれました。

ユウ

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94見苦しい光景

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同情はしない。
これまでの行いを思えば許せることではない。


「私は…え?」

「とんだ悪女だな」

「シオン!私は…」


薬で本音を晒した愚かなサンドラは既に孤立している。


母親も同様に。


「何をするの!」

「不敬罪で終わりませんわよ?我が息子に対する侮辱に王族の結婚式を侮辱してあまつさえ私の夫にセクハラまがいな行為をするなんて」

「私は…そんな!」


だんだんと真っ青になる二人は自分達が口に出した事を思い出すのだろう。


「貴方!なんとか…」

「ふざけるな!お前とは離縁だ!」

「そんな!」

「お前のような女は知らない!」


公の場でこんな話をするなんて馬鹿としかいいようがない。

「悪いが、アンタも同罪だ」

「何だ貴様!平民の分際で」


ディアッカを睨み、侮辱をする。
ここで身分は関係ないだろうが、ここは我慢だ。


「アンタ、王族の結婚式をぶち壊して公で妻に暴行を働いてんだよ…ちなみにここでの声は外に筒抜け…しかも新瓶記者もいるぜ」

「何だと!」

視線を向けると王都日報だけでなく他国の大物記者もカメラを手に持っている。


「そんでここは海の上だ。お前達のバカ騒ぎは聞こえているだろうよ」

「なっ…」

「船も出ているからな」


真っ赤な嘘だ。
我が領地の領民や商人には筒抜けだが、そこまで響くわけじゃないが。


相手に打撃を与えるには十分だろう。


「王族を侮辱し、暴行並びに、辺境伯爵家を乗っ取ろうとしただけでも重罪ね?次は何を侮辱するのかしら?リディアは正当な王位継承権がある王女よ?死にぞこないですってねぇ?」

「王女の次は王妃を侮辱するのかしら?伯爵家は何時からそんなに偉くなったのかしら」


「それは…その」


さっきまでの威勢はない。
周りは冷たい視線を向けているのだから。


「公爵閣下、これが貴族派の考えですの?」

貴族派の過激派の公爵を睨みながら問われる王妃陛下の言葉は何処までも冷たくナイフのように突き刺さる。

当然と言えば当然だが。


「違います。私と彼とは無関係だ」

「そんな言い方はあんまりではありませんか!今まで私が貴族派の為にどれだけ!」

「うるさい!こんな非常識な真似をして!」


ここでも仲間割れをするようだが…


「折角ですから仲良くお縄についてくださいよ」

「何だと」

「闇オークションに参加されていた仲間でしょう?」

そう言いながらディアッカが投げたのは。


国内でも禁じられている闇オークションのやり取りがされている写真だった。

誰がなんて明白だった。


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