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81残酷な真実~リディアside
しおりを挟むこれ以上無い程の思い物語だわ。
フィクションだからまだ良いとしてだ。
「これ実話ですから」
「へ?」
「ディアッカ!貴方って人は…」
これが実話?
「他所の国の話ですが聖女と呼ばれるとある貴族の女の実話です。まぁ当人は亡くなっているから問題ないでしょうが」
「大問題だわ…まぁ、言い方は悪いけど歴史はすべて塗り替えられるわ」
「じゃあ、このもうひと作品のこれは」
「悪の裁判官、これも実話ですよ」
まだ見ていないけど、胃が痛くなった。
「物語に関わらずこの世は勝者が正義です。特に裁判では真偽は関係ない、勝った方が正しい」
「言いたくありませんが事実ですものね。戦争も同じ」
勝てばすべてが正しい。
負ければ負けと言わているのが現実だった。
「もしこの勝負で姫様が負ければ悪が姫様で正義があの女です」
「そんなのダメです」
「ええ、死ぬまであの女はシオンを搾取するでしょう」
「だけど今さら二人が婚約なんて不可能では…まさか」
ニナの表情が般若のようになっていく。
「媚薬ですか」
「既に闇市場であの女が怪しい薬を買った姿を見た者がいますよ」
「媚薬って…」
「惚れ薬です。しかも薬で脳を刺激して最後は廃人にしてしまう恐ろしい薬です」
なんですって?
そんなものをシオン様に!
「腐ってるわ」
「あの女は目的の為なら人の道から反する事は平気でやります。これまでどれだけの人間が犠牲になったか」
そんな人を…絶対ダメだわ!
「シオンを守りたいと思われるなら戦ってください。その為に今のままではいられません」
「構いませんわ。シオン様を守れるなら私は悪女にもなりますわ」
今まで私はシオン様に守っていただいた。
でもこれから私がシオン様をお守りしたいと思っている。
「その為に屈辱的な事をしなくてはなりません」
「かまいません」
私はシオン様をあの女に奪われるのだけは我慢ならない。
これまでシオン様を侮辱し傷つけて来たような人を再び隣にだなんて死ぬよりも嫌だわ。
だから私はその為にどんな事でも。
「ではこれから悪女の鉄則を学んでいただきます。その上で表聖女、裏悪女を学んでいただきます」
「お願いします」
絶対に役目を果して見せる。
シオン様に相応しい妻となり、悪女から王子様を守って見せるわ。
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