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74服は武器
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ドレスと装飾品は決まった。
真珠を使ったイヤリングにティアラは銀を使ったもの。
「ここで問題はヘアアレンジですわ」
「それもベルモット嬢に…」
「甘いですわ閣下!」
何所からかハリセンを取り出しテーブルを叩く。
「え?」
「何故ですの?」
隣でリディア様が困惑している。
何故ここまでベルモット嬢が怒っているのか解らない。
「ここまできたらヘアアレンジも最高にしなくては…姫様少しお髪を失礼しても?」
「えっ…ええ」
もう遠慮なしだなベルモット嬢。
「美しい髪ですわ。絹も劣る程の…それにこれ程美しい銀髪は見た事がありません」
「えっ…でも、私は豪華なブロンドではなくて」
我が国も限らず他国でもブロンド色の髪が美しい女性の象徴とされている。
「姫様、これらのドレス、アクセサリーは女性が戦う為の鎧です」
「鎧?」
「我が国でも活躍される女性のほとんどは、最初からすべてを持っていた方はおりません。童話で有名な灰かぶり姫も美しく着飾って戦場に出て王子様に見初められました」
少し話が脱線しているようにも見えるのだか…
「シオン様、戦場で丸腰で戦えますか!」
「無理だな」
「女性の戦いは社交界、女同士の戦いではドレスや宝石、化粧が戦装束になるのです!」
拳を突き上げて力説する。
しかし、言っている事は解らなくもないな。
「これらは女性の為にあるのです…なりたい自分になる為に」
「なりたい自分?」
「美しい洋服に似合う自分になるのではありません。自身をつける為にすべての服があります…姫様がお強くなるために私達は最善を尽くします」
「はい」
ベルモット嬢の言葉は説得力があり強かった。
しかし髪結師を今から手配をするにはどうしたらいいか。
「不本意ですがその手に関しては腕の立つ男を知っております。ええ、非常に不本意ではありますが」
「え?男…」
もしやゴルゴのような?
「素行と性格に問題はありますが、手先が恐ろしい程器用な男です。ええ、手先だけなら私よりもずっと器用ですわ。手先は」
三回も言ったな。
どんな人間なんだ。
「その男の名前は?」
「ディアッカ・エルスワンです」
何でだ!
ここで何故ディアッカの名前が出て来るんだ!
「呼んだか?」
「ディアッカ!」
「ディアッカ様!」
そしてディアッカよ、何故何時も音も無く現れるんだ。
そう思っていたが…
「ここで会ったが宿敵!」
何故かベルモット嬢が鋏を取り出し殺人鬼のような目をしていた。
真珠を使ったイヤリングにティアラは銀を使ったもの。
「ここで問題はヘアアレンジですわ」
「それもベルモット嬢に…」
「甘いですわ閣下!」
何所からかハリセンを取り出しテーブルを叩く。
「え?」
「何故ですの?」
隣でリディア様が困惑している。
何故ここまでベルモット嬢が怒っているのか解らない。
「ここまできたらヘアアレンジも最高にしなくては…姫様少しお髪を失礼しても?」
「えっ…ええ」
もう遠慮なしだなベルモット嬢。
「美しい髪ですわ。絹も劣る程の…それにこれ程美しい銀髪は見た事がありません」
「えっ…でも、私は豪華なブロンドではなくて」
我が国も限らず他国でもブロンド色の髪が美しい女性の象徴とされている。
「姫様、これらのドレス、アクセサリーは女性が戦う為の鎧です」
「鎧?」
「我が国でも活躍される女性のほとんどは、最初からすべてを持っていた方はおりません。童話で有名な灰かぶり姫も美しく着飾って戦場に出て王子様に見初められました」
少し話が脱線しているようにも見えるのだか…
「シオン様、戦場で丸腰で戦えますか!」
「無理だな」
「女性の戦いは社交界、女同士の戦いではドレスや宝石、化粧が戦装束になるのです!」
拳を突き上げて力説する。
しかし、言っている事は解らなくもないな。
「これらは女性の為にあるのです…なりたい自分になる為に」
「なりたい自分?」
「美しい洋服に似合う自分になるのではありません。自身をつける為にすべての服があります…姫様がお強くなるために私達は最善を尽くします」
「はい」
ベルモット嬢の言葉は説得力があり強かった。
しかし髪結師を今から手配をするにはどうしたらいいか。
「不本意ですがその手に関しては腕の立つ男を知っております。ええ、非常に不本意ではありますが」
「え?男…」
もしやゴルゴのような?
「素行と性格に問題はありますが、手先が恐ろしい程器用な男です。ええ、手先だけなら私よりもずっと器用ですわ。手先は」
三回も言ったな。
どんな人間なんだ。
「その男の名前は?」
「ディアッカ・エルスワンです」
何でだ!
ここで何故ディアッカの名前が出て来るんだ!
「呼んだか?」
「ディアッカ!」
「ディアッカ様!」
そしてディアッカよ、何故何時も音も無く現れるんだ。
そう思っていたが…
「ここで会ったが宿敵!」
何故かベルモット嬢が鋏を取り出し殺人鬼のような目をしていた。
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