婚約者が隣国の王子殿下に夢中なので潔く身を引いたら病弱王女の婚約者に選ばれました。

ユウ

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58八つ当たり

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王宮内の廊下にて声をかけられた。

いやかけられたというよりも怒鳴り散らされた方が正しいが。


「どういうことなのシオン!」

「何がでしょう?」

「しらばっくれないで」


今では社交界で一番の噂だった。
少し前までは隣国の皇太子殿下とのラブロマンスが広まっていたが、今では皇太子殿下に無理矢理迫った挙句に影武者にも迫り、挙句の果てには複数の男性と肉体関係を持った悪女の噂。


そして先日リディア様に無礼を振舞った事で私はしかるべき行動に出た。
ヴィッツ伯爵家に抗議した。

直接ではなく弁護士を代理人に立て、尚且つヴィッツ伯爵家の関係を一切切ることにした。
例え婚約解消となっても貴族同士の付き合いはある。

我が家の事業だけでなく私が賜っている領地の特産物の一切をヴィッツ家に渡らないようにするように手配した。



「どうして…」

「私は公の場で婚約者を侮辱した謝罪を求めました。あくまで慰謝料は止むをえずです。弁護士に全てまかせてありますが…」

謝罪もなければ、横柄な態度を取り続けるサンドラ嬢に私は愛想が尽きた。
ここまで人として非常識だと思わなかった。


「どうしてサンドラが謝るのよ」

「本気でおっしゃっているのですか?リディア様第二王位継承権を持つ方です。王女殿下を侮辱して許されるとは」

「ハズレ姫でしょう!貴方が愛しているのはサンドラでしょう?婚約解消だって…どうせあの子の関心を引きたいんでしょう…今なら許してあげるわ」


「私が何故許しを請う必要があるのです?」

「何言って…」


私は今になって解った。
サンドラ嬢はライルハルト殿下を慕っていたのではない。
そして私はお飾りの婚約者にすぎなかったのだと理解した。

表向きは婚約しても、他のいい条件の相手がいれば乗り換えるつもりだった。


「謝罪していただきたいのはこちらだ…ですが言葉だけの謝罪は不要です」

「何を馬鹿な事を言っているの?大体悪いのはあの子じゃないわ!貴方でしょう」


あくまで被害者だと言い放つ。
言葉を重ねる事は無意味だし、これ以上この場にいたくない。


「話すだけ時間の無駄のようですね」

「待って…待ちなさい!」


無視をしてその場を去ろうとするも。


「どうせ、ハズレ姫との婚約だって王命なんでしょう?だったらサンドラともう一度婚約させてあげるわ!」

何がさせてあげるだ。
何処までも上から目線なのは親子そろって変わらないな。


「例え出家してもお断りますよ」

「なんですって!」

「人として大切な物を捨てたご息女、そして歪んな貴方達とこれ以上関わる気はありません」



どんなに言葉を重ねても、心を込めてもきっと伝わらないと思った私はその場を去った。



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