婚約者が隣国の王子殿下に夢中なので潔く身を引いたら病弱王女の婚約者に選ばれました。

ユウ

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47罪人

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二泊三日の旅行から帰ってきたら王宮の様子が変わっていた。
宮廷医師の入れ替えや一部の貴族が罪人として捕らえられていたのだ。


「これはどういう事だ」

「俺達が王都を出たのはただの慰安旅行じゃねぇって事だ」


ディアッカの表情からしてある程度は想像て来たと見える。


「お前だっておかしいと思っただろう」

「急すぎると思った。だがここまでとは…」

「お前の想定した結果は半分は当たっていた。姫様の病は半分が人為的になされたものだ」


当たって欲しくなかった。
実は領地内には女性医師や他国から流れて来た名医もいる。

リディア様は生まれつき病弱だったが、病名は心臓の弱さだと聞かれていたが。
気管支も弱いと言われていたが、領地の海を牛耳る海女達が素潜りを進めた時に気づいたのだ。

リディア様は気管支が弱い所か強い。
心臓も弱くないのだと。

疑惑を持ったが、これだけでは罪に問えない。

持病を持っいていてもそこまで重くなかったが、幼少期の頃に持病を悪化させる毒物を体に入れられたとしたら?


傍付きの侍女が気づかない程に功名な手を使われたら?
宮廷医師の中には貴族出身も多く、ニナのような身分では守り切るのは難しいはずだ。

食事に毒物を含まなくても診察中に点滴に毒を入れたり、食事中に毒を入れることもできる。


「それから毒物に関しては注射器と食事に使われたフォークに仕組まれていた」

「銀食器には毒は移りやすい。だがナイフやフォークを即座に入れ替えたのだろう」

そんなことに使う頭を別の事で使えばよい物を。


「王都にお前達がいたら危険だ。姫様の安全確保をするには王都を離れる必要があった」

「そうか…」

しかしここまで計画していたとなると恐ろしいな、テレシア王女殿下。


「まぁその裏でライルハルト殿下が動いてくださったが」

「ん?」

「まぁ、来年から侯爵家に婿入りを果すからその準備だろうな」


何だと?
ライルハルト殿下が婿入りすると!



「話が見えないんだが…」

「ああ、これはオフレコだ。俺は諜報員でもあるから知っていたんだが…ライルハルト殿下の立場は聞いているだろ?」

「ああ」


現大公様である女帝である姉君と帝位争いを避けるべく帝位継承権を返上したとか。


「ライルハルト様は侯爵家に婿入りする予定だった」

「婿だと…」

「ああ」

普通に考えればライルハルト様に婚約者がいないことが不思議だ。


いや、テレシア王女殿下もだが…いや、待てよ?
しかし、侯爵家といってもどの家に婿養子になるのだろうか?


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