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閑話3腹黒王同盟
しおりを挟む強引に王都から出させた理由はリディアの静養もあるが一番の理由は邪魔者を始末する為でもあった。
既に社交界ではシオンとサンドラの婚約は解消されていると噂をされている。
手続きに時間がかかるが、面倒な作業は終わっている。
後は先方…ヴィッツ伯爵がサインをすればよいだけだ。
「国王陛下に対する不敬罪も十分だけど、それだけじゃダメだもの」
「その程度では生ぬるいだろう?」
「ええ…」
早い段階からサンドラの悪い噂は問題になっていた。
社交界の華と本人は言っているが実は、華は華でも別の意味を持っている・
「毒花をこれ以上野放しにするわけには行きません」
「我が国でも彼女の悪評は届いています。何より我が国は軍人国家。騎士を重宝する国なのです」
エステリア帝国の初代皇帝は騎士だった。
皇族の中には騎士として生涯生きた者も少なくなく国を守る最後の盾でもある騎士を侮辱する行為は許されない。
「私が剣帝である事を知りながら悪気無く騎士団を侮辱するとは頭がスカスカなのでしょうか」
「それ以前に脳みそがないのでは?」
例え騎士に良い感情を思ってなくても何でもかんでも口にするは貴族令嬢としてありえないのだ。
しかもサンドラは騎士に関して良く思っていないのではなく、近衛騎士だけは悪く言っていない。
「王家に仕えるのが近衛騎士だけと思っているなど論外です」
「確かに花形は近衛騎士と言う考えはあります」
騎士物語でも近衛騎士は良い用意描かれているが実際国を守っているのは騎士団の騎士達だった。
そのことを理解せずにいるサンドラの教養の無さに呆れていた。
「仮にも皇太子妃候補になるならば淑女の嗜みとして剣術は必須です。それに私の好みじゃないですしね」
さりげなくサンドラの事を二人で悪口大会を催していた。
「影武者だと気づかないなんて何処まで観察力の無いのかしら」
「シオン殿は気づいていましたがね」
最初に挨拶をした時からシオンは違和感に気づき、二回目、三回目では皇太子というよりも留学に来た貴族として接していた。
その時点で薄々気づいていた事が伺える。
「本当のあの女は馬鹿な事をした…シオン殿の後見人は大公閣下である事も知らないだろう」
「このまま婚約を続行をしていれば勝ち組でしたのに」
シオンを罵倒してばかりのサンドラは気づいていなかった。
地位も財産も永遠にあるものではないことを。
特に継承して爵位を得ている者とは異なりシオンは最年少で伯爵位を賜ったのだから。
「お望みどおりにして差し上げますわ」
「ああ…」
サンドラがシオンとの婚約破棄を望んでいるならば早々に叶えてやろうと思った。
ただしサンドラが望まない形で…
その為にテレシアは同盟を結んだのだった。
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