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第四章
エピローグ
しおりを挟むその後、式典は派手に行われた。
「竜帝陛下万歳!」
「竜后陛下万歳!」
国民達は二人が初めて迎える式典を心から喜んだ。
その傍には彼等を見守る同盟国や、海竜達の姿があった。
枯れた二つの大樹が咲かせた花が風に揺られ二人を見守るかのように美しく舞っていた。
「陛下、成人式が終わったらお願いがあります」
「何だい?」
「私は陛下に食べられるために竜の国に来たと思ってました」
「あー…異文化の違いだね」
長い間二人の間には誤解が生じていた。
ようやく誤解は解けたので、その必要はないのだが。
「でも陛下は既に私を食べていたんですね」
「え?」
「私の心を陛下は最初から食べてました」
「…白百合」
真っ赤になるイサラは狼狽える。
「だから今度は私が陛下を食べていいですか?」
「こっ、こんな所で…そんな」
遠目からなので国民達にこの会話は聞こえない。
勿論、イサラが真っ赤になっているなんて気づきもしないのだが。
「何という会話をしているのでしょう!破廉恥ですわ」
「ロッテンマリア様落ち着いてください」
「しかし、大胆ですね」
会話を聞いていたロッテンマリアは卒倒しそうだった。
それをメイリンが抑え込み、感心するディーンと彼等は大忙しだった。
「妹よ、お前は肉食だったのか。なんと大胆な」
「ルーカスは草食系ですものね?」
「そうじゃ、男は皆草食で女が肉食じゃ!」
「リル!そんな…女の子がそんな言葉使っちゃダメだよ?」
「やかましいわヘタレめ!」
誤解が誤解を生むながら互いに絆を結んだ二人。
種族も環境も全く異なる二人あったが、後にリリアーナは成人後に沢山の子宝に恵まれながら竜の国の女神として国民から慕われ十年後、早すぎる退位をした後。
イサラと共に隠居生活を送りながら美味い物めぐりの旅をしながらも人間と竜の関係が悪化しないように勤めたのだった。
終
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