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第四章

20.罪状

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静寂がしばらく続いた後に拍手が送られた。

「立派だ。私は感動したぞ!」

「くっ、種族を超えた愛。これこそ真実の愛だな!」


拍手を送りながらも涙ぐんでいるのは式典に参加する貴賓達だった。


「皆さん、何時からそこに」

「何やら、トラブルがあったようでな…様子をこっそり見に来たのだ」


(((いや、何でいるの!)))

レンがロイドを連れて来た時には、他の招待客は別の客間に通していたはずだ。


「申し訳ありません」


部屋の隅っこでシクシク泣いている宮女。
恐らく彼女を上手く言いくるめて来たのだが解る。


和やかな空気が広がる中、咳ばらいをするルーカスが書類を突きつける。


「この度、ロイド・メイデンをクリステリア帝国、皇后陛下を侮辱した罪、並びに婦女暴行未遂により国外追放とみなす」

「は?」

「外に罪状があるがキリがないので省略する。我が辺境地の領地を狙って色々やらかしてくれたようだな…あげくリリアーナを亡き者にしようとした罪は重罪です」


叩きつけた書類には逮捕状と書かれている。

「ちなみに、ゾフィスは偽りの聖女を、担ぎ上げ、リリアーナに呪いをかけようとした罪で逮捕だ」

「なっ!」

「すでにサンドラが自白している。お前がクリステリアの秘宝を奪い大樹を枯らそうとした裏は取れている。既にお前の部下は牢獄だ…サンドラも残りの力を使い呪いをかけようとしたようだがに皮肉な事に、既に魔力はほとんどない。お前が渡した呪具から足がついた」


「そんな…」

「まぁ、そうでなくともお前の行先は地獄以外ないのだがな」

既にゾフィスは他国の代表の前で失態を重ねている。
他国に逃亡しても、受け入れてくれる宗教はないだろう。


「まったくろくな男ではないな」

「王族を馬鹿にしいるのかしら?自国で問題を起こした聖職者が他国で受け入れられるわけないでしょう?ゾフィス、これまでの悪事を食いながら残りの余生を過ごすのね」

アンジェは扇を付きつけ言い放つ。

ゾフィスの行く先々は今後、非難の声と後ろ指を指される日々が待っているのだ。


「そんな…嘘だ。嘘だ!」

「嘘ではない。これがお前の未来じゃ…お前は散々人を踏みつけたのじゃ。その罪を苦しみながら償うのじゃ!」


「連れて行け!」


「「「ハッ!」」」


イサラに命じられ、竜騎士に連行されていく。



「止めろぉぉぉ!」


最後まで叫んでいたロイドだったが、力で勝てるはずもなく。


その後ロイドとゾフィスは国外追放の身となるのだった。




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