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第四章
16.リデルの撃退
しおりを挟むレンはお茶とお菓子の準備をして、ロイドに減り下った態度を取っているのを嫌がるリデルは声を上げた。
「お前は何をしているのだ!こんな屑男に茶等必要ない!」
「でも、屑でも一応お客さんだよ?何よりリリアーナの元婚約者でしょ」
「だからであろう?この男は過去に自分の都合で捨て、自分の都合で寄りを戻そうとしている。リリアーナを愛しているからではない…利用できるからじゃ。利用価値が無くなったらポイ捨てするか売り飛ばすに決まっておるわ!」
「リデル、いくら何でもそんなことするわけないじゃない。万一利用なんてするら一族もろとも死ぬよりも辛い起き地獄だよ?死にたいと思うぐらいの拷問なんだよ?」
「は…?」
ロイドはレンの言葉に耳を疑うが、レンは笑いながら平然と告げる。
「だって、リリアーナは僕のお父さん、地上最強の竜王と、海竜の長からも一目置かれているし、リリアーナを害することがあれば即極刑さ。どんな軍事力のある国でも地上と海を支配する竜を敵にすれば、子々孫々と呪われて死んでも冥界で地獄を見るよ」
「レンよ…」
「そんな危険な真似をするはずないよ。少し粗相をして、ママ軍団を怒らせただけだよ」
朗らかに笑いながらも言っている事はえぐい。
「お前は、純粋過ぎる故に質が悪いのぉ」
「え?そうかな…えへへ」
(褒めておらぬぞ!決してな!)
リデルのような幼子に言われても気づかないレンはある意味イサラ以上の天然だった。
「まぁ良い、おい馬鹿男。貴様がどうなろうが知った事ではない。だが妾の友を侮辱するなら許さぬぞ。貴様には自称聖女がお似合いじゃ。自称貴公子なのじゃから…自称同士で丁度良い」
「自称だと!」
「そうじゃ。妾のレンは、少々お馬鹿だが…貴様ほどの馬鹿ではない。これ以上の狼藉は許さぬぞ!」
「リデル、そんな言い方は…」
「黙れヘタレが!」
扇を片手に睨みつけるリデルは王族としての風格を見せる。
「レン、妾に恥をかかせる出ない。妾の番となりたくばもう少し威厳を見せよ。でなければいつまでたっても父上が認めてくださらぬであろうが」
「リデル…ごめんね?」
「だから謝るでないと言っておろう!」
真っ赤にして怒るリデルにレンはオロオロしていた。
「まぁ良い、この茶は妾が飲むぞ。レンの淹れた茶は妾が一滴たりとも無駄にせん」
「リデル、淹れなおすよ。愛情をこめて淹れるから」
「うむ!」
何時の間にか二人のイチャコラをしている二人を見せられていた。
そして少し遅れてリリアーナ達もその場に到着したのだった。
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