竜皇帝陛下の寵愛~役立たずの治癒師は暗黒竜に今日も餌付けされ中!

ユウ

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第三章

3.種族の性癖

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この世界は三つの世界により成り立っていた。
天空を司る天竜、深海を司る海竜、地上を司る地竜とそれぞれに守護し加護を与えていた。


しかし以前から地上では綻びができていた。
その一番の理由が人間が殺戮を繰り返し、本来ならば崇めるはずの精霊を大事にしなくなった。

酷い時は精霊狩り等も平気で行う様になり、人間と精霊の間に溝が生まれるようになった。

地上の竜も人間にいい感情を抱かなくなったことにより加護を与えなくなったのだ。


「人間と竜族の溝は酷くなる一方だったんだけど…双方のいがみ合いで僕のお友達が被害を受けてるんだ」

「お友達?」

「うん、人間の国のお姫様なんだけど…」


「いや、人間と仲が悪くなっているのに…大丈夫かのか」

「人間すべてが悪いんじゃないよ!リルは優しくてすごくいい子なんだ!」

レンは声を上げて告げる。
イサラ同様に人間にそれ程悪意を持っていない竜はやはり複数いるのだと思うと嬉しくなる。


「リルは本当に優しい子なんだよ。まだ小さいのに種族だからって色眼鏡で見ないし」

「リルというのか?君の恋人は」

「ええ!恋人!そんなんじゃないよ…まだ」


(((予定か!))

否定しながらもそのつもりに聞こえ一同は呆れた。


「へぇ、リルさんって言うんですか」

「うん、本名はリデル・アンドレット・アッテリカって言うんだけど」

「アッテリカ王国の姫君ですか。確か今年で五歳でしたか?」

「そうなんだよ。小さくてすごく可愛いんだ」


国を聞いて、思い出す。
直接面識はないが何度か耳にしたことがある。


アッテリカ王国は小さな島国で、王には一人だけ幼い姫君がいる。
今年で五歳を迎えると聞いていたのだ。


…が。


「竜族の男性はロリコンなのでしょうか」

「メイリン殿…」

「リリアーナ様の前例と言いポセイドン様の奥方様も結婚当初は少女だったと聞きます」


ディーンは直ぐに否定をしようとするも。

「嫌いじゃないね。どちらかというと若い子の方が純粋だし…色々都合がいいのは確かだ」

「陛下…」


否定を望んでいた竜騎士達にとどめを刺された気分だった。


「リルは今、重い病気に悩まされているんだ。だからお見舞いに行こうと思っただけど…途中でハンターや勇者やらに狙われて…僕の血を寄こせって襲って来るんだ」

しくしく泣くレンは竜とは思えない程の軟弱さだ。

「随分物騒ね」

「リリアーナ、勇者とは大義名分を振りかざし、他人のダンジョンに不法侵入して金品を勝手に奪い荒らしまわる不愉快極まりない連中だ」

「相手の都合はお構いなしに己の欲求だけを押し付ける、ハンター以上に極めて悪質かつ迷惑な集まりなのです」


「そうなの?」


リリアーナは勇者は救世主としか聞かされていなかったが、竜族からしたら迷惑な存在でしなかった。


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