悪役令嬢と弟が相思相愛だったのでお邪魔虫は退場します!どうか末永くお幸せに!

ユウ

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第一章廃嫡と婚約解消

22私の王子様~ステラside⑩

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誰もが思っただろう。
今日のこの日でマリアンナ様を断罪すると。


むしろ、そうに違いないと思っていたはずだ。
なのにフィルベルト様はこれまでの事を深く詫びて頭を下げた後に廃嫡となる事を宣言した。


そしてマリアンナ様を庇うような言い方をされた。
婚約解消という形を取り、マリアンナ様に本当に愛する人と生きて欲しい事を伝えた。


「嘘…じゃあ全部私達の勘違い?」

「でも!」

周りは単純だった。
あれだけマリアンナ様を持ち上げておきながら。



今さら何よ。
マリアンナ様が正しいと決めつけて。


私はこの場で大人しくしていなくてはならないのは解っている。


でも耐えられない。


「フィルベルト様!」」


「すまない。最後まで君を苦しめて守ってやることもできない弱い男で」

「いいえ…いいえ!」


貴方は誰よりも強い人です。
そして誰よりも優しい人でした。


私の心の王子様でした。


石造の王子様はツバメがいたけど。


貴方は最後までお一人ですべてを守る事を決めたんですか?


あんな酷い事をされて。
きっとマリアンナ様は最初から貴方を追い落とするつもりだったのかもしれない。

アルセウス様も野心家だった。
事あるごとに自分の方が相応しいと思っていたのだろう。

そう発言しているのを耳にした。

なのに、そんな二人の幸福を最後まで祈るなんて。


きっと国の今後を思えばなのかもしれない。
ずっとご自分を卑下していたから。


だったら私は!


「せめて君だけでも…」

「私も一緒に」


お傍いたいんです。

だけど聞き入れてもらえなかった。
廃嫡になった後はどんな生活が待っているか解らない。


だから一緒にいれないのだと。
私を不幸にすると言われてしまい拒絶されてしまった。




その後卒業パーティーが終わった後、私はその場に立ち尽くす中、当事者でもあるマリアンナ様は何かをヒステリックに叫んでいた。



「何で…何でこんな事に」


「マリアンナ、どうしたんだ」

「こんなの違うわ。こんなのシナリオと違う!何でよ」


「マリアンナ、どうし…」

「触らないで!」


シナリオとは何の事を言っているのか、全く話が見えなかった。


ただ思うのは。



「マリアンナ様…私は貴女を許しません」


「なっ!」


「満足ですか。これが貴女の望みですか。お優しいフィルベルト様をご幼少の頃から裏切り続け、愛を踏みにじり続けた事を」


周りの視線が私に集まる。
本来ならば不敬罪だと言われるのでしょうけど。


「婚約者の弟君と浮気をするのは正しい道なんて知りませんでしたわ」


皮肉めいた言葉を伝え、勲章を投げた。


「汚らわしい…こんな汚い女認めない!」


私は生徒代表である証を投げ捨てそのまま出て行った。


国の為に仕えるなんてできるはずがない。
平気で人の思いを踏みにじっても心が痛まない人が王妃になる国なんて信じられない。


だから私は私の意思でフィルベルト様の元へ行く。


例え向かう果てが苦難の道でも。




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