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第一章廃嫡と婚約解消
19私の王子様~ステラside⑦
しおりを挟む嫌がらせは続き、私が不正をしたという人もいた。
だけど、王のお膝元の学園がそんな真似をすることはありえない。
「王ですら介入できない試験を不正…王族を侮辱なさるのですか」
「は?」
「生意気な」
「私は誓って不正いたしません。マリアンナ様、私はこの学園の代表生徒として間違った振る舞いはしておりません。転入当初に貴方様にお教えいただいたように」
「なっ…」
言い返さないと思ったのか驚いた表情をする。
「愚かな振る舞いとは大勢で一人を責める様な事ではないでしょうか?私は平民ですが、身分が低ければ皆様に責められるのでしょうか…少なくとも学園内でこのような行為は許されません」
「何言っているの?」
「そうよ」
「間違いならばこれまでの事を夫人会のお茶会でお伝えしてもよろしいでしょうか?その席には慈善事業の方もいらしていますわ」
「脅迫する気!」
「いいえ、来年の新入生が私のように身分だけで判断され大勢に理不尽な嫌がらせを受けるのを阻止したいのです。才があっても身分が低いだけで圧力をかけられる事を」
「なんて無礼な…ヒロインだからって!」
「え?」
今まで見ているだけ苛めに加担はしなかったマリアンナ様が手を上げた。
「何をしているんだ!」
扇で頭を殴られ出血する私は痛みに耐えていると、フィルベルト様とレクサス様が来てくださった。
「何を…ステラ!」
「出血が。マリアンナ様。貴方はなんて事を」
「これは!」
「扇に血がついています。言い逃れはできませんよ?念のためにそちらは調査の為に回収させていただきます。彼女は学園の代表生徒…傷害事件になってもおかしくありませんよ」
「ただ口論になって…」
「そうよ。この平民が無礼を!」
「そうでしょうか?地方文官長の娘が平民を差別するとは」
「なっ!」
私に常に嫌がらせをしていた一人は地方文官長。
平民の官僚枠を増やそうと働きかけてくださっている方でもある。
中位貴族出身で、私達のような身分でも活躍できるように努められた立派な方の娘が学園で苛めをしているなんてバレればどうなるか。
「脅迫する気!」
「私は王族に仕える身である前に騎士です。表では立派な事を言いながら悪どいことをなさっているならば、すぐにでも訴えなくては。残念ですよ」
「違うわ!お父様は…」
「レクサス!言い過ぎよ」
「貴女はご友人の暴走を見て見ぬ振りされたのですか?ああ、それとも…」
「レック、もういい。やり過ぎだ」
行き過ぎる行動を咎めながらもマリアンナ様を見るフィルベルト様の視線は厳しかった。
「マリアンナ、私が気に入らないから彼女を責めるのは止めて欲しい。彼女は私の大事な友人で、彼女は学園の代表生徒だ」
「失礼します」
この時既に二人の関係は修復できなかったのかもしれない。
今日の事が原因でフィルベルト様はマリアンナ様と顔を合わせて会話こそしても関わる事を一切やめた事で学園内で噂が流れた。
その一方でマリアンナ様の傍には常にある人が常に傍にいた。
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