聖女の妹は無能ですが、幸せなので今更代われと言われても困ります!

ユウ

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147過去とお別れ

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去っていくお姉様の背中を私は見るだけしかできなかった。


私達の間に言葉はこれ以上なかった。


「ある意味あそこまで言われると清々しいな」



「ああ」

「ある意味彼女が一番の被害者だったのかもしれないですね」

マリア様の言葉の通りかもしれない。
私は常に助けてくれる人がいて、辛いことがあっても転んだら手を差し伸べてくれる人がいた。


でもお姉様は違う。


「相容れない…確かにそうですね」

「サーシャ」

「でもこれが一番良い選択なのかも」


これから先お姉様がどんな道を歩むか考えると…

でも、自らいばらの道を選んだんだ。

「私はお姉様に遠く及びません」

やっぱりお姉様の本質は強い人だった。
悪魔に狙われてしまったけど、芯はすごく強くて、自分一人の足で歩ける強さ。

わざと酷い事を言っている。
嘘を見抜くのは下手だけど、解るわ。


「私は彼女に随分と酷い事をした」

「殿下!」

「そうですね。婚約者であるお姉様の心を踏みつぶして他の女性を愛しましたから」

「サーシャ…」


本来なら不敬に値するのだけど。

でも事実だし。


「確かに問題ですわね」

「母上…」

「そもそも婚約者の手綱をしっかり握られなかった殿下も原因がありますわ。彼女の心が止んでいくこともなかったでしょうね?」

「ぐっ…」


私よりもシュリ様の方がきついと思うんだけど。


「アンタ達、のんびりしていていいのかい?時間ないんじゃないかい」

「「「あ!」」」


お姉様の乱入と、悪魔の事で私達の合同結婚式を忘れていた。


「すぐに準備を」

「はっ…はい」


こうして私達はかなりの番狂わせがあったが、予定通り結婚式を執り行うことになったのだが。


「お嬢様、かなり派手に暴れられましたね」

「えっ…」

「魔力を垂れ流した所為で、髪を巻けません」


悪魔との対戦で少しばかり魔力の消費で髪の毛が残念なことになっている。


「何所の世界に晴れ舞台の日に悪魔と戦う令嬢がいますか」

「はい、ここにいます」

「とにかく急いでアレンジを」


ドレスアップに苦戦する侍女達に申し訳なく思いながらも急ピッチで準備は進められたのだった。


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