聖女の妹は無能ですが、幸せなので今更代われと言われても困ります!

ユウ

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141悪魔の花

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気づくと足元の黒い百合の花で充満していた。


「うっ…」

「お母様!」

「これは…」


息苦しそうにする二人。
二人だけじゃない、マリア様や、殿下もハンカチで口を押えながらも苦しそうだった。


「邪魔が入ったが、ここで一度に潰してくれる!」

「しまった!はやり予測していたか!」

この場にいる全員が戦闘態勢に備えることができなかった。


百合の花は数だけでなく大きくなり、ツルが私に忍び寄る。


「とにかくここから離れるしか…」

「だが…」


シュリ様は剣を取り出し、氷の魔法を発するけれど、魔法が全く利かなかった。


「だったら結界を…」


マリア様が光魔法で結界を作るも、弾かれてしまう。
聖女の魔力でもダメ何てどうして?


「お姉様は依り代ではなくなったのならそこまで強い力は…」


「ああ、だが、月食の時は聖女の力が弱まるんだよ!しかも邪魔な聖女が一時でも依り代になった事で力得ているんだろうよ」

「アンタ、老婆に癖にさっきから無礼よ」

「ケッ、自称聖女の癖に」

「お婆様、今はそんなことで争っている場合では!」


巨大なツルは私達を襲ってくる。


「とにかく逃げるんだよ!あのツルに捕まったら最悪悪魔の餌食になるよ」

「はい!マリア様!」

私をマリア様に手を差し伸べるも。


「きゃああ!」

「マリア様!」


ツルに拘束され一番大きな百合の花の元の元に連れて行かれる。

「マリア!」

「待てルミエル!」

咄嗟に前に出る殿下を止めようとするフレディーも一緒にツルに拘束されてしまう。


「ちょっと!何で私がこんな妖怪と!」


「ふざけんじゃないよ!」


お姉様とお婆様が一緒に拘束されてしまった。


「皆!」

私以外は皆は拘束されて、黒い百合の花粉をかぶりさらに苦しむことになった。


「最後はお前だ」


私だけとなったその場に悪魔の声が聞こえた。

「最も忌まわしい竜の姫…貴様さえいなければ」

「何を…」

「お前の所為で…この数百年眠らされたのだ!貴様の所為で」


「私が何をしたと…」


私の言葉を最後まで聞く間もなくツルは変化して凶器となる。


「これでお前の腸に穴を開けてくれる!」


「逃げろサーシャ!」


フレディーの声が聞こえるも、黒い百合の花に囲まれた私は逃げ場がなかった。
それに私は結界魔法も攻撃魔法も使えない。

他の効果的な魔法も使えずあるのは剣だけだった。


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