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105続く仕掛け
しおりを挟む大事な鍵を汚してしまうと思い急いで鍵を拾おうとしたが…
「待て、サーシャ。ここだ。ここが扉だったんだ」
「え?」
地面を見ると模様が繋がっている。
鍵が落ちている場所に鍵がぴったりはまっていたのだ。
「この鍵は鍵穴に入れるものじゃない」
「そうか、はめるんですね!」
「なんて解りにくい」
「しかも手が込み過ぎです」
もしかして侵入者を入れないための仕掛だったのでは?
水が溢れだし、転移魔法が発動する仕組みになり、水によって地面の扉が見えるようになっていたんだ。
「地面が扉になっていたなんて」
「不良聖女め…実はどこかで見ているんじゃ」
殿下とマリア様は余程疲れているのね。
「二人ともお水を。元気になりますよ」
「ありがとう…」
「いただきます」
水筒に入れたお水を二人に差し出すとすごい勢いで飲んでいく。
「なんか軟水の味がする」
「軟水?水に柔らかいなんてあるのか?」
「あー…私の国では水の種類ですかね」
二人の顔色が良くなっていく。
やっぱりこのお水は聖水なんだわ。
「変わった水筒だな」
「はい、噴水の傍にありまして。すごいんです!この水筒に入れると冷たいままで」
「それ魔法瓶ですよね」
「魔法の瓶ですか!でも、水筒にしては少し重くて」
「いや、だから魔法の瓶じゃなくて魔法瓶って名前の水筒…もういいです」
魔法の瓶だから魔法瓶という命名なのね。
なんて素敵な響きなのかしら?
「今はとりあえず秘密の部屋に入ろう」
「そのまま入って大丈夫ですかね?これまでの事を考えると。不良聖女が仕掛けを施しているんじゃ」
マリア様は本当に心配性ね。
ここまで来て初代聖女様が通さないなんてことをするはずがないわ。
「大丈夫ですよ」
「ああ!サーシャ」
私はそのまま部屋の中に入るも何もなかった。
…はずだったが。
「きゃああ!」
「マリア!」
私は中に入った後にマリア様と殿下が続くも針が飛んできた。
「ちょっと何なの!」
「今度は別の物が!」
針の次は玉が飛んできたかのように見えたが・・
「棘だわ」
「これは毬栗?」
「何の罰ゲームよ!」
ポンポン飛んでくる毬栗だった。
「もう頭にきた!さっきから嫌がらせのような真似を」
「マリア!落ち着け…」
「ちょうど転がっている棒があるし…いいわ!受けてやろうじゃない不良聖女がぁぁぁ!」
「何時ものマリア様じゃない!」
完全に壊れてしまった。
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