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100隠し扉~マリアside
しおりを挟む聖女の手記を読んでいくと。
『海底神殿の一番奥の神殿の秘密の部屋に…』
「「「秘密の部屋?」」」
手記に書かれていたのは私達もまだ足を踏み入れたことがない神殿だった。
「すべての神殿と繋がっているということか」
「秘密の部屋、その部屋を開放できればすべての問題を解決できるのでは?もしかしたら女神が姿を見せてくださらないのかもしれませんね」
サーシャ様の言うことは一理あるかもしれない。
聖女とは女神の代理人と聞かされていた。
なのに私がこの世界に召喚された時も女神の声は聞こえなかった。
あのバカ集団が勝手に召喚したとしても女神とコンタクトが取れないのはおかしい。
そうなると、開かずの間になっている神殿に行くしかないのか。
「手記に手掛かりは…あ」
「どうしたんですか」
「女神は実体がないので鏡に姿を見せるそうです」
手記にはこう書かれていた。
『神出鬼没でストーキングな女神は常に鏡に現れた』
本当に不良聖女は色々な意味で規格外だな。
「顔色が悪いぞ」
「何でもありません殿下」
言えない。
初代聖女が、過去に何度も女神に暴言を吐いていたとか。
『女神を顔を見るのがむかつくので神殿の鏡のすべてを壊してやった』
どんだけ女神が嫌いだったのか。
でもその上を行く女神もぶっ飛んでいたけど。
『マゾな女神は私に罵倒されて喜ぶ変態女神だった…本当にうざい、キモイ』
本当にもうヤダ。
手記を読みたくないと心の底から思ったし女神に対面するのが怖くなった。
「女神様ってどんな方なんでしょうか」
「そうだな。私も肖像画でしか知らないが聖母のような方ではないだろうか」
「戦女神のような方という可能性もありますね」
「春麗の願望が入っているんじゃないか」
言えない!
女神に夢を抱く皆に、女神がどういった存在か。
『女神は腹黒で人の神経を逆撫でする天才だ』
手記の内容からして性悪な性格だとどうして言えようか。
聖書や絵画に描かれている女神と正反対なのだから。
「とっ、とにかく今すぐすることは一つです」
「どんな方だったのでしょうか…一度お会いしてみたかったです」
サーシャ様!
絶対知らない方がいいです!
純粋なサーシャ様の事だわ。
『私もギャルになってみたい!』
なんてことを言ったら最後。
フレディーが失神して、春麗が円形脱毛症になるのではないかと思ってしまった。
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