93 / 155
92哀れな役目
しおりを挟む
そもそも召喚術とはちゃんとした儀式の手順を踏まなくてはならない。
召喚に関しても魔導士と教皇猊下に、必要な三種の神器が必要になるのに、中途半端な状態で召喚をしたせいで片道しか異世界の扉を開けなかったらしい。
「あの…」
「何でしょうマリア様」
マリア様は手を上げて質問を投げかけた。
「もし召喚が失敗していたらどうなってました?」
「言いたくありませんが、永遠に空間の中で彷徨い、肉体は滅びてましたね」
「司祭を殴っていいですか?」
マリア様の目が魔王のようだっt。
拳を突き上げて今にも殴り込みに行きそうな勢いだ。
「マリア様、私も加勢を」
「やめないかサーシャ。似非聖職者はいいとしても、被害が大変だ」
「そうですわ。お嬢様。やるなら物的証拠がないように」
「それも問題だがな!」
フレディー。
最近突っ込みに切れができてきたわね!
「話を戻しますが、すべての役割を終えた後に召喚魔法で元の世界に返すのですね?」
「はい。そして聖女様は女神様の願いにより元の世界に帰ったと民に知らしめるのです」
聖女はこの世界にとどまらず元の世界に帰ったことをアピールして、この世界に聖女は必要ないと訴えればこれ以上無理な聖女召喚もできないだろう。
「神殿も封鎖してしまうことになりますが」
「その件に関してはお任せください。ええ…このようん狼藉をした馬鹿にはしっかりと反省していただかなくては」
笑顔なのに背後から負のオーラ―が流れている。
聖職者なのにいいの?
「怒っているな猊下」
「仕方ないだろう。今回の聖女召喚は神殿のトップである猊下を無視して行われたからな」
温和で優しい猊下。
その猊下がここまでお怒りになるほどに、今回の聖書召喚は許せるものではなかったのだろう。
一人の少女の人生を簡単に奪って罪悪感をまるで感じない者。
むしろそれが光栄だろうと言いそうな彼らに怒りを感じざるを得ないけど、そんな彼らには相応の罰が下るだろう。
「正直、聖女を便利屋としか思っていない気がします。もしくはなんでも屋的な」
「サーシャ嬢、それを言ったらおしまいだ。まぁ、何か困ったときは聖女様なんて考えがあるから丸投げになるんだ」
殿下も似たようなことを考えていらしたのね。
「はぁー…聖女の存在を何だと思っているのか」
「私、過去の聖女が気に毒になりました」
マリア様のこうなってみて歴代の聖女様に同情を感じざるを得ない様子だ。
「して、計画的に行うとして…段取りはいかように?」
「そこは春麗がご説明します猊下!」
この中で簡潔で、尚且つ簡単に説明をしてくれる人物と言えば春麗が一番良い。
召喚に関しても魔導士と教皇猊下に、必要な三種の神器が必要になるのに、中途半端な状態で召喚をしたせいで片道しか異世界の扉を開けなかったらしい。
「あの…」
「何でしょうマリア様」
マリア様は手を上げて質問を投げかけた。
「もし召喚が失敗していたらどうなってました?」
「言いたくありませんが、永遠に空間の中で彷徨い、肉体は滅びてましたね」
「司祭を殴っていいですか?」
マリア様の目が魔王のようだっt。
拳を突き上げて今にも殴り込みに行きそうな勢いだ。
「マリア様、私も加勢を」
「やめないかサーシャ。似非聖職者はいいとしても、被害が大変だ」
「そうですわ。お嬢様。やるなら物的証拠がないように」
「それも問題だがな!」
フレディー。
最近突っ込みに切れができてきたわね!
「話を戻しますが、すべての役割を終えた後に召喚魔法で元の世界に返すのですね?」
「はい。そして聖女様は女神様の願いにより元の世界に帰ったと民に知らしめるのです」
聖女はこの世界にとどまらず元の世界に帰ったことをアピールして、この世界に聖女は必要ないと訴えればこれ以上無理な聖女召喚もできないだろう。
「神殿も封鎖してしまうことになりますが」
「その件に関してはお任せください。ええ…このようん狼藉をした馬鹿にはしっかりと反省していただかなくては」
笑顔なのに背後から負のオーラ―が流れている。
聖職者なのにいいの?
「怒っているな猊下」
「仕方ないだろう。今回の聖女召喚は神殿のトップである猊下を無視して行われたからな」
温和で優しい猊下。
その猊下がここまでお怒りになるほどに、今回の聖書召喚は許せるものではなかったのだろう。
一人の少女の人生を簡単に奪って罪悪感をまるで感じない者。
むしろそれが光栄だろうと言いそうな彼らに怒りを感じざるを得ないけど、そんな彼らには相応の罰が下るだろう。
「正直、聖女を便利屋としか思っていない気がします。もしくはなんでも屋的な」
「サーシャ嬢、それを言ったらおしまいだ。まぁ、何か困ったときは聖女様なんて考えがあるから丸投げになるんだ」
殿下も似たようなことを考えていらしたのね。
「はぁー…聖女の存在を何だと思っているのか」
「私、過去の聖女が気に毒になりました」
マリア様のこうなってみて歴代の聖女様に同情を感じざるを得ない様子だ。
「して、計画的に行うとして…段取りはいかように?」
「そこは春麗がご説明します猊下!」
この中で簡潔で、尚且つ簡単に説明をしてくれる人物と言えば春麗が一番良い。
102
お気に入りに追加
3,792
あなたにおすすめの小説

婚約破棄された公爵令嬢は本当はその王国にとってなくてはならない存在でしたけど、もう遅いです
神崎 ルナ
恋愛
ロザンナ・ブリオッシュ公爵令嬢は美形揃いの公爵家の中でも比較的地味な部類に入る。茶色の髪にこげ茶の瞳はおとなしめな外見に拍車をかけて見えた。そのせいか、婚約者のこのトレント王国の王太子クルクスル殿下には最初から塩対応されていた。
そんな折り、王太子に近付く女性がいるという。
アリサ・タンザイト子爵令嬢は、貴族令嬢とは思えないほどその親しみやすさで王太子の心を捕らえてしまったようなのだ。
仲がよさげな二人の様子を見たロザンナは少しばかり不安を感じたが。
(まさか、ね)
だが、その不安は的中し、ロザンナは王太子に婚約破棄を告げられてしまう。
――実は、婚約破棄され追放された地味な令嬢はとても重要な役目をになっていたのに。
(※誤字報告ありがとうございます)

婚約者が私以外の人と勝手に結婚したので黙って逃げてやりました〜某国の王子と珍獣ミミルキーを愛でます〜
平川
恋愛
侯爵家の莫大な借金を黒字に塗り替え事業を成功させ続ける才女コリーン。
だが愛する婚約者の為にと寝る間を惜しむほど侯爵家を支えてきたのにも関わらず知らぬ間に裏切られた彼女は一人、誰にも何も告げずに屋敷を飛び出した。
流れ流れて辿り着いたのは獣人が治めるバムダ王国。珍獣ミミルキーが生息するマサラヤマン島でこの国の第一王子ウィンダムに偶然出会い、強引に王宮に連れ去られミミルキーの生態調査に参加する事に!?
魔法使いのウィンロードである王子に溺愛され珍獣に癒されたコリーンは少しずつ自分を取り戻していく。
そして追い掛けて来た元婚約者に対して少女であった彼女が最後に出した答えとは…?
完結済全6話
いつだって二番目。こんな自分とさよならします!
椿蛍
恋愛
小説『二番目の姫』の中に転生した私。
ヒロインは第二王女として生まれ、いつも脇役の二番目にされてしまう運命にある。
ヒロインは婚約者から嫌われ、両親からは差別され、周囲も冷たい。
嫉妬したヒロインは暴走し、ラストは『お姉様……。私を救ってくれてありがとう』ガクッ……で終わるお話だ。
そんなヒロインはちょっとね……って、私が転生したのは二番目の姫!?
小説どおり、私はいつも『二番目』扱い。
いつも第一王女の姉が優先される日々。
そして、待ち受ける死。
――この運命、私は変えられるの?
※表紙イラストは作成者様からお借りしてます。

妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?
木山楽斗
恋愛
公爵家の妾の子であるクラリアは、とある舞踏会にて二人の令嬢に詰められていた。
彼女達は、公爵家の汚点ともいえるクラリアのことを蔑み馬鹿にしていたのである。
公爵家の一員を侮辱するなど、本来であれば許されることではない。
しかし彼女達は、妾の子のことでムキになることはないと高を括っていた。
だが公爵家は彼女達に対して厳正なる抗議をしてきた。
二人が公爵家を侮辱したとして、糾弾したのである。
彼女達は何もわかっていなかったのだ。例え妾の子であろうとも、公爵家の一員であるクラリアを侮辱してただで済む訳がないということを。
※HOTランキング1位、小説、恋愛24hポイントランキング1位(2024/10/04) 皆さまの応援のおかげです。誠にありがとうございます。

婚約破棄の翌日に謝罪されるも、再び婚約する気はありません
黒木 楓
恋愛
子爵令嬢パトリシアは、カルスに婚約破棄を言い渡されていた。
激務だった私は婚約破棄になったことに内心喜びながら、家に帰っていた。
婚約破棄はカルスとカルスの家族だけで決めたらしく、他の人は何も知らない。
婚約破棄したことを報告すると大騒ぎになり、私の協力によって領地が繁栄していたことをカルスは知る。
翌日――カルスは謝罪して再び婚約して欲しいと頼み込んでくるけど、婚約する気はありません。
【完結】「君を愛することはない」と言われた公爵令嬢は思い出の夜を繰り返す
おのまとぺ
恋愛
「君を愛することはない!」
鳴り響く鐘の音の中で、三年の婚約期間の末に結ばれるはずだったマルクス様は高らかに宣言しました。隣には彼の義理の妹シシーがピッタリとくっついています。私は笑顔で「承知いたしました」と答え、ガラスの靴を脱ぎ捨てて、一目散に式場の扉へと走り出しました。
え?悲しくないのかですって?
そんなこと思うわけないじゃないですか。だって、私はこの三年間、一度たりとも彼を愛したことなどなかったのですから。私が本当に愛していたのはーーー
◇よくある婚約破棄
◇元サヤはないです
◇タグは増えたりします
◇薬物などの危険物が少し登場します
[完結]いらない子と思われていた令嬢は・・・・・・
青空一夏
恋愛
私は両親の目には映らない。それは妹が生まれてから、ずっとだ。弟が生まれてからは、もう私は存在しない。
婚約者は妹を選び、両親は当然のようにそれを喜ぶ。
「取られる方が悪いんじゃないの? 魅力がないほうが負け」
妹の言葉を肯定する家族達。
そうですか・・・・・・私は邪魔者ですよね、だから私はいなくなります。
※以前投稿していたものを引き下げ、大幅に改稿したものになります。
【完結】もう結構ですわ!
綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
恋愛
どこぞの物語のように、夜会で婚約破棄を告げられる。結構ですわ、お受けしますと返答し、私シャルリーヌ・リン・ル・フォールは微笑み返した。
愚かな王子を擁するヴァロワ王家は、あっという間に追い詰められていく。逆に、ル・フォール公国は独立し、豊かさを享受し始めた。シャルリーヌは、豊かな国と愛する人、両方を手に入れられるのか!
ハッピーエンド確定
【同時掲載】小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/11/29……完結
2024/09/12……小説家になろう 異世界日間連載 7位 恋愛日間連載 11位
2024/09/12……エブリスタ、恋愛ファンタジー 1位
2024/09/12……カクヨム恋愛日間 4位、週間 65位
2024/09/12……アルファポリス、女性向けHOT 42位
2024/09/11……連載開始
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる