聖女の妹は無能ですが、幸せなので今更代われと言われても困ります!

ユウ

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92哀れな役目

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そもそも召喚術とはちゃんとした儀式の手順を踏まなくてはならない。
召喚に関しても魔導士と教皇猊下に、必要な三種の神器が必要になるのに、中途半端な状態で召喚をしたせいで片道しか異世界の扉を開けなかったらしい。


「あの…」

「何でしょうマリア様」

マリア様は手を上げて質問を投げかけた。


「もし召喚が失敗していたらどうなってました?」

「言いたくありませんが、永遠に空間の中で彷徨い、肉体は滅びてましたね」

「司祭を殴っていいですか?」

マリア様の目が魔王のようだっt。
拳を突き上げて今にも殴り込みに行きそうな勢いだ。


「マリア様、私も加勢を」

「やめないかサーシャ。似非聖職者はいいとしても、被害が大変だ」

「そうですわ。お嬢様。やるなら物的証拠がないように」

「それも問題だがな!」


フレディー。
最近突っ込みに切れができてきたわね!


「話を戻しますが、すべての役割を終えた後に召喚魔法で元の世界に返すのですね?」

「はい。そして聖女様は女神様の願いにより元の世界に帰ったと民に知らしめるのです」

聖女はこの世界にとどまらず元の世界に帰ったことをアピールして、この世界に聖女は必要ないと訴えればこれ以上無理な聖女召喚もできないだろう。


「神殿も封鎖してしまうことになりますが」

「その件に関してはお任せください。ええ…このようん狼藉をした馬鹿にはしっかりと反省していただかなくては」


笑顔なのに背後から負のオーラ―が流れている。
聖職者なのにいいの?


「怒っているな猊下」

「仕方ないだろう。今回の聖女召喚は神殿のトップである猊下を無視して行われたからな」


温和で優しい猊下。
その猊下がここまでお怒りになるほどに、今回の聖書召喚は許せるものではなかったのだろう。


一人の少女の人生を簡単に奪って罪悪感をまるで感じない者。
むしろそれが光栄だろうと言いそうな彼らに怒りを感じざるを得ないけど、そんな彼らには相応の罰が下るだろう。


「正直、聖女を便利屋としか思っていない気がします。もしくはなんでも屋的な」

「サーシャ嬢、それを言ったらおしまいだ。まぁ、何か困ったときは聖女様なんて考えがあるから丸投げになるんだ」

殿下も似たようなことを考えていらしたのね。


「はぁー…聖女の存在を何だと思っているのか」

「私、過去の聖女が気に毒になりました」

マリア様のこうなってみて歴代の聖女様に同情を感じざるを得ない様子だ。


「して、計画的に行うとして…段取りはいかように?」

「そこは春麗がご説明します猊下!」

この中で簡潔で、尚且つ簡単に説明をしてくれる人物と言えば春麗が一番良い。


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