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81失墜した権力~ジャネットside②
しおりを挟む通常王太子の婚約者だった令嬢が何らかの理由で婚約解消となったら次の嫁ぎ先を見つけるのは難しい。
社交界では数多の噂を流されているからだ。
令嬢として問題があると糾弾され、次期王太子妃を狙う者にとって元婚約者を悪女に仕立て上げることで元婚約者とは違うと比べることができるのだから。
「お前には良縁はないだろう。従国の子爵家か…最悪の場合出家だ」
「そんなのあんまりだわ!私は侯爵令嬢なのよ?高位な立場に…」
「お前は高貴さの意味を理解してない」
「本当にどうして…」
お父様は私を冷めた目で見て、お母様は私を憐れんでいた。
何故そんな目で見るの?
お母様に憐れまれるほど私は堕ちていないわ!
「高貴さとは生まれ持ったものではない。それを言えば正妃から生まれず妾腹から王となった歴代の国王陛下はどうなる」
「貴族の中で純潔が何人いると?貴女の先祖も純潔ではない」
「お前のお祖母様もだ」
「は?」
何を言っているの?
お祖母様は由緒正しき家柄で高貴なる家柄ではないの?
「お前の祖母は元は妾腹の娘だ」
「嘘よ…」
「事実だ。そもそも貴族とて始まりは生まれながら高貴ではない…高貴とは生まれた後の振る舞いによるのだから」
違う。
そんなの信じないわ!
だってそれじゃあ!
「まぁ、お前の母は純粋な貴族だ」
「家系図は私の母と祖母は貴族だけど。祖先までは解らないわ…もしかしたら平民かもしれない。だけど初代国王は陛下は平民よ」
「後100年もすれば貴族階級の世は終わる」
「終わるはずないわ」
「いいや、国の9割は平民だ。故に共和国になる日が来るだろう」
ありえない。
そんな世が来るはずない。
たとえ来たとしても。
「関係ないわ。私はその時まで生きてないもの!私が死んだ後の国なんてどうでもいいわ!」
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そうよ。
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そうだわ。
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「あれがこの世に生まれてきたせいで、すべサーシャが悪魔だったのよ!」
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そうに違いないわ!
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