聖女の妹は無能ですが、幸せなので今更代われと言われても困ります!

ユウ

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72心配

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詳しい事情は解らない。
でも、最近のお姉様は不調で、祈りをささげても集中力が足りなのか神官様からも叱られていたそうだ。


結界の維持ができないこともあるが、マリア様が聖女としての能力に目覚めていたこと。
そして聖女がすべき職務の聖地巡礼や、穢れで苦しむ人達の治療をこっそり巫女様たちと一緒に行っていたそうだ。


あくまで神殿の使いと名乗り、マリア様は自分の正体を明かすことなく。
炊き出しも行っていた。

だけどその費用はマリア様に支払われるはずのお給金。
聖女の仕事をするのだから当然対価が支払われるし、マリア様に不自由な思いをさせた負い目から陛下もそれなりの対応で迎えようとしたが、マリア様はその費用のほとんどを慈善活動の費用にしてほしいと。


マリア様は聡明な方で、税金で炊き出しをすれば多額の負担を国民に負わせることになることを理解していたとか。


「よほどの高等教育を受けておられたのが解る」

「はい…その一方で」

報告を聞く限りすでに国民の心はお姉様から離れている。
マリア様は自分が聖女と名乗らないで聖女の役目を果たしている所為でお姉様に対する疑惑が上がった。


「社交界では自分の意に反する者は敵と判断しているからな」

お姉様を悪く言いたくないけど、白黒はっきり決めないと気が済まない。
そして相手に多くを求める正確なため、傷つく人は多いだろう。


「お姉様は敵が多すぎたのでしょうね」


「だからと言って傷つけていい理由にならない。マリア殿は敵が多い中、確実に人脈を広げている」

マリア様は聖女の座に興味はないと思う。
聖地巡礼や視察に関しても自分でできることを探し、今は苦しんでいる人が多いからこそできることをしたいと思われているのだと思う。


「マリア殿の国では貴族階級は廃止になっているそうだ」

「はい、聞いております。身分の違いはあれど、貴族と平民のような格差は少なく。実力主義で厳しい法律の下銃刀法違反等も存在するとか」

「我が国よりも様々な文化が発展しているのだろう」


確かにそうかもしれない。
平民でも高等教育を受けられるのだから。


「このままだとどうなりますか…」

「現在はマリア殿が聖女を否定しているが、望まない形で担がれるだろう」

「そんな!あんまりですわ」


「お嬢様、しかしこの状況下ではマリア様のお立場が」


後ろ盾がないマリア様をお守りする方法がない。
聖女の力に目覚めてしまった状態で本人が望まない形で傀儡にされたらどうなる?


「せめてマリア様をお傍でお守り出来たら…」

「傍で守る?そうだ!その手があるじゃないか」


いきなり立ち上がるフレディーは急ぎ出て行った。

何かいい案でも浮かんだのかしら?


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