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28姉の苛立ち~ジャネットside③
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王宮内に私に当てがわれた宮殿がある。
歴代の聖女の為に用意された宮殿で、基本は男子禁制だった。
王太子殿下ですら許可がないと入れない。
この宮殿には星の巫女が侍女の代わりに私の世話をしている。
その巫女はこの宮殿を守る立場にあるが平民出身だ。
聖女の気配を察するのは神殿の役目で、聖女の光を見ることができるのが巫女の役目。
巫女大師。
それがこの宮殿を守る巫女だった。
「ジャネット様、気が乱れています」
「解っているわ」
「祈りに集中してください」
「してるわよ」
祈りの時間。
私は邪念が多すぎて出来なかった。
何時もなら結界を敷く事ができるのに。
「ジャネット様」
「うるさいわよ!」
気が散る。
そうよ、隣でグチグチ言うからよ。
「今のままでは祈っても意味がありません。邪念が…」
「うるさいって言ってるでしょ!」
私は傍に置かれている聖書を投げた。
「きゃあ!巫女大師様!」
「ジャネット様…」
「何よその目は!私は聖女よ…そんな目をして許されると思っているの?」
憐れむような目を向ける巫女大師。
他の巫女達も同じような目を向けている。
何でよ!
私はイライラが治まらずその時間祈りに集中できなかった。
昼頃、殿下とのお茶会でも。
「ジャネット、宮殿で癇癪を起したそうだな」
「殿下!」
「何があったか知らないが、君も一人の人間だ…完璧な聖女を求められて苦しいのは解る」
「違います!」
私は何時だって完璧だった。
悪いのは完璧じゃない彼女達だわ。
「私は完璧です」
「人はそう万能なのか」
「一流なら出来て当然ですわ。できないのはやらない人間の言い訳。できなければ意味がありません」
そうよ、彼女達が悪い。
私がちゃんと祈りに集中できていないなんてありえないのだから。
「解った…だが、今日の広間での事は控えてくれ」
「殿下?」
「彼女は異世界から召喚された少女だ。神託により選ばれた」
「何かの間違いでは?」
聖女は二人必要ないわ。
太陽が二ついてはいけないように皆を照らす太陽は私一人で十分だわ。
「聖女は一人です。信託は私を…」
「そうか」
「殿下?」
いきなり席を立たれる殿下。
「悪いが公務の時間だ」
「えっ‥ですが、まだ早いのでは?」
「悪いが三日ほどの視察に向かう。モニーク領地に」
「え?」
モニーク領地って…
「君の妹のサーシャ嬢が現在花嫁修業をしているそうだな」
何でサーシャの話なんて。
今は私のといるのに、これまであの子の話題なんて出さなかったのにどうして!
胸の中がもやもやする。
今までサーシャの事なんて気にしなかった。
私の足を引っ張る存在でしかなかったのに。
歴代の聖女の為に用意された宮殿で、基本は男子禁制だった。
王太子殿下ですら許可がないと入れない。
この宮殿には星の巫女が侍女の代わりに私の世話をしている。
その巫女はこの宮殿を守る立場にあるが平民出身だ。
聖女の気配を察するのは神殿の役目で、聖女の光を見ることができるのが巫女の役目。
巫女大師。
それがこの宮殿を守る巫女だった。
「ジャネット様、気が乱れています」
「解っているわ」
「祈りに集中してください」
「してるわよ」
祈りの時間。
私は邪念が多すぎて出来なかった。
何時もなら結界を敷く事ができるのに。
「ジャネット様」
「うるさいわよ!」
気が散る。
そうよ、隣でグチグチ言うからよ。
「今のままでは祈っても意味がありません。邪念が…」
「うるさいって言ってるでしょ!」
私は傍に置かれている聖書を投げた。
「きゃあ!巫女大師様!」
「ジャネット様…」
「何よその目は!私は聖女よ…そんな目をして許されると思っているの?」
憐れむような目を向ける巫女大師。
他の巫女達も同じような目を向けている。
何でよ!
私はイライラが治まらずその時間祈りに集中できなかった。
昼頃、殿下とのお茶会でも。
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「殿下!」
「何があったか知らないが、君も一人の人間だ…完璧な聖女を求められて苦しいのは解る」
「違います!」
私は何時だって完璧だった。
悪いのは完璧じゃない彼女達だわ。
「私は完璧です」
「人はそう万能なのか」
「一流なら出来て当然ですわ。できないのはやらない人間の言い訳。できなければ意味がありません」
そうよ、彼女達が悪い。
私がちゃんと祈りに集中できていないなんてありえないのだから。
「解った…だが、今日の広間での事は控えてくれ」
「殿下?」
「彼女は異世界から召喚された少女だ。神託により選ばれた」
「何かの間違いでは?」
聖女は二人必要ないわ。
太陽が二ついてはいけないように皆を照らす太陽は私一人で十分だわ。
「聖女は一人です。信託は私を…」
「そうか」
「殿下?」
いきなり席を立たれる殿下。
「悪いが公務の時間だ」
「えっ‥ですが、まだ早いのでは?」
「悪いが三日ほどの視察に向かう。モニーク領地に」
「え?」
モニーク領地って…
「君の妹のサーシャ嬢が現在花嫁修業をしているそうだな」
何でサーシャの話なんて。
今は私のといるのに、これまであの子の話題なんて出さなかったのにどうして!
胸の中がもやもやする。
今までサーシャの事なんて気にしなかった。
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