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21完璧な聖女~ジャネットside②
しおりを挟む私は完璧なのに、妹のサーシャは本当に何もできない。
口先だけで結果がないならば意味がない。
自分なりに頑張っている?
そんなの言い訳で楽をしたいだけでしょ?
頑張るなんて誰にだってできるは。
結果こそがすべてで結果が出せないなら意味がないわ。
優秀なお祖母様は私が正しいと言ってくれる。
なのにお母様は私を認めようとしてくれないから…
だから解って欲しくて。
「ジャネット様、どうなさいましたの?」
「お母様は私に厳しく当たるんです。私は良かれと令嬢にアドバイスをしているのに」
社交界で懇意になった夫人に母に冷たくされて悲しい。
妹ばかりを大事にして悲しいと言えば、私を庇ってくれて、注意をしてくれると言ってくれた。
その言葉通りお母様は注意をする回数が減ったわ。
でも…
「ジャネットもう王宮に戻るの」
「ええ」
「そう」
何故謝ってくれないの?
お母様が悪い事をしたのに、どうして自分が悪かったと頭を下げてくれれば私は笑って許す気でいたのに。
でも私は聖女。
慈悲の心を持ってお母様を許してあげないと。
だってお母様は何も解ってないのだから。
間違った事を続けるお母様をお祖母様に報告して叱って貰おうと思った。
案の定困った表情をするお祖母様。
「本当に困った嫁ね。私から厳しく言っておくわ。貴女は聖女の公務に集中なさい。今後は別邸に帰っレ来ればいいわ。傍付きの侍女も乳母も辞めさせて私が相応しい者を傍に置くわ」
「はいお祖母様」
「ジャネットは特別なのよ。他の令嬢と格が違うのだから」
「はい!私は特別な存在です」
そうよ。
私は女神様に選ばれた存在なのだから。
それから私は別邸と王宮の往復する日々が続いた。
王宮内でお母様と顔をわせても親子としてではなく私は聖女、お母様は礼を尽くした。
当然だわ。
けれど不服なのはお母様の態度に。
何時まで経っても社交界デビューできないサーシャだ。
これでは私が正式な聖女のなった時に恥をかくわ。
だから私はサーシャに厳しく言った。
邸でパーティーが行われている時に、私は友人がいる前でサーシャを咎めた。
何時までも逃げているのは止めなさい。
ちゃんと侯爵令嬢として一人前に振舞えるようにならないと我が家に泥を塗る行為だと。
「申し訳ありません」
「謝って済む問題じゃないのよ。他の令嬢をごらんなさい。どうして同じようにできないの。他の令嬢が出来て貴女ができないなんておかしいでしょ?侯爵令嬢が格下の令嬢に負けるなど」
「皆さんのようにできなくて申し訳ありません」
「貴女はプライドがないの?あんな下級貴族にできていることをできないで…ヘコヘコして見っとも無い!彼女達を膝まづかせることを‥」
「どうしてそんな真似をする必要があるんですか?」
何を言っているの?
「確かに我が家は侯爵家です。ですがどちらが上とか下なんて」
「我が家は侯爵家よ!同じ人間のはずがないでしょ?そんな事も解らないなんて!」
呆れて物も言えなかった。
私達は王族に嫁ぐことも許される身分なのになんて子供じみた事を。
やっぱり真面な教育を受けてこなかった所為ね。
私が躾けて上げないと。
だから専属の家庭教師の先生に間違いを正す様にお願いした。
サーシャは幼児と同じだわ。
もしくは病気を持っているのだと思った。
なのに、その三か月後。
ヒテック先生は解雇となり王宮に戻って来てしまった。
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