聖女の妹は無能ですが、幸せなので今更代われと言われても困ります!

ユウ

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15私の幸せ

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勉強方法を変えて二週間。


「お嬢様、この二週間よく努力されましたね」

「先生…」


これまでの勉強方法とは異なり変わった勉強法だった。


「お嬢様は決して能力が大人っているわけではありません」

「え?」

「むしろ逆です」


ずっと何をしてもダメだった。
だけど私が馬鹿だったわけではなく勉強の仕方が間違いだった。


「勉強方法は人によって異なりますがはいはいができていない子供に走る行為を強要するなど間違いです。それから幼少期から頭が悪い、ダメな子だと言われ続け委縮していたのも原因かと」


「なんて真似を…」


お母様はわなわなと震えていた。
容量が悪いのは本当だけど、前の先生は確かに問題が解らないと言うと怖い顔で睨み、ひたすら問題を解くように言われた。


「一歩、一歩階段を登れないなら一度振り返るべきです。生徒が何故解らないか一緒に悩み解決法を探し、そして答えはあくまで自分で見つける。それができないで何が家庭教師でしょう」

エルガー先生は私の疑問に答えてはくれるけど。
大事な事に関してはこれという答えは自分で導き出す様に言われた。

「先生…ありがとうございます」

「いいえ」

お母様は深々と頭を下げる。
私も気づかなかった。


無意識のうちに私は人と同じことができないと思い込んでいた。


「私は家庭教師として当然のことをいたしましたが、最初にお嬢様の才を見抜かれたのはモニーク伯爵人です」


「そうだったのですか…」


「私は家庭教師を引退する予定でした」

「何故ですか!先生はまだまだ…」

引退なんて早すぎる。
先生の授業なとっても楽しいのに!


「私も若い教師を導けず、特に今の王室家庭教師の質に悩みまして私の勉強法を否定されましてね」

「そんなの気にする必要ありません!だって勉強がダメで何もできない私が…」


エルガー先生は立派な先生だ。
勉強法が悪いにしても、私は教養が足りないのにこの短時間で叩きこんでくださったし、それだけじゃない。


机に向かっているだけでは解らない。
学ぶことの楽しさを教えてくださったのに。


「エルガー先生、私は叶うなら今後も娘の家庭教師を…いいえ、娘が嫁いだ後に子が出来ればその家庭教師をお願いしたいと思っておりますわ」

「ありがとうございます。これ程の嬉しいお言葉はございません」


まだまだエルダー先生に教わりたいことが沢山あるのだから。


「先生大好きです」

「ありがとうございますお嬢様」


礼儀がなってあいけど私はエルガー先生にぎゅっと抱き着いていたその時だ。


足音が聞こえた。


「お待ちくださいジャネット様!」


え?お姉様?


「どういうことですお母様!」


普段完璧な令嬢であるお姉様が恐ろしい形相を浮かべて現れた。



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