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13正反対の娘~サリアside④
しおりを挟む義母への当たりが厳しくなり、ジャネットは最高の教育を受けたけど。
サーシャには侍女をつけることなく私の傍で育てることになったけど差別が酷くお祝い事では。
「ジャネット、新しいドレスよ」
「ありがとうございますお祖母様!」
「ジャネット、これはお前が欲しがっていた本だ」
誕生日ではジャネットを盛大に祝い。
サーシャの誕生日はわざと仕事を入れて夫が邸に戻れないようにするようになった。
侍女も出払っていた。
派手なパーティーは行えない。
けれど、サーシャは姉と妹に祝われて喜んでいた。
「おかーさま、おいしいです」
「そう…」
ジャネットの誕生日は盛大に祝われ邸には多くの音楽家に歌手を呼んで舞踏会のように行われるも、サーシャはこじんまりとしたもの。
友人を呼ぶ事も出来なかった。
「お姉様…いくら何でもあんまりよ」
「ジャネットの誕生日との差が激しいわ。社交界でも笑いものにされていると聞くのに」
姉も妹もサーシャが哀れだという。
でもその本人は。
「おあーさま、おばあさまがすてきなおよーふくくれたんです」
「サーシャ」
手作り感のある豪華とは言えないワンピース。
麦わら帽子だってお洒落とは言い難いのにサーシャは大喜びだった。
「こんなにすてきなおぼうしはじめて!」
「お姉様…私はあの子が不憫でなりません」
「私も…」
そう言え祖母に贈り物をされたことは一度もない。
以前ジャネットの帽子を羨ましそうにしているサーシャを義母は。
「姉の物を欲しがるなんて、なんて事なの」
「これはジャネットのだ!」
別に少し見ていただけなのに。
そんな言い方をしなくてもと思ったけど。
サーシャは帽子が欲しかったのではなく祖母に贈り物をされるのが羨ましかったのだわ。
「いい子ねサーシャは」
「ええ」
「豪華でもなく流行から外れているのに」
社交界に出ていないサーシャは流行に疎いし。
ブランド物も解らない。
でもお母様は喜んでいた。
「きっと祖母からの贈り物が嬉しかったのね。ずっとジャネットばかり高価な贈り物を貰って‥」
羨ましそうに見ても自分も同じものが欲しいと言う事もなかった。
強請る事もなかったから私が別の物を買い与えようとした時があったけど、義母の耳に入り咎められるのはサーシャとなった。
サーシャの元に来るのはジャネットが気に入らないと捨てようとしたお古ばかりだった。
「新しい物を買い与えると、義母が甘やかせるなと言われ…隠れて贈ってもジャネットが告げ口をするのよ」
「お姉様、気をつけた方がいいわよ」
「え?」
「聖女の力を持っているから勘違いしてちやほやされて性格が悪くなっているんじゃないかしら」
そんなはずはない。
そう思っていたけど、既に祖父母に特別な存在だと言い聞かされたジャネットは変わり始めていた。
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