聖女の妹は無能ですが、幸せなので今更代われと言われても困ります!

ユウ

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11正反対の娘~サリアside②

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妊娠の兆しは直ぐに解った。
ジャネットの時のようにその日は流れ星が落ちていた。


もしかしてと思って診断を受けると。


「おめでとうございますご懐妊です」

「まぁ」


その頃、ジャネットは義母の元にいて邸にはいなかった。
それが幸いしたのか体調も安定していた。

手紙で子を身籠った事を告げたけど、義母と義父はさして興味を示さなかった。
その理由は娘だったから。

しかも昔から言い伝えで優秀な子供が生まれた後妹は出来が悪いと言われてる。
姉妹だけではなく兄弟も同じで。


昔から差別が生まれたのはその為かもしれない。


「私はほとほと両親に愛想が尽きたよ」

「貴方…」

「第一、君はその若さで二人も子を身籠った。それだけでも素晴らしい事だ」


王都の高位貴族の中で有名な話だが。
義母は中々子を授かる事が出来ずにいたそうだ。


義母だけではない、子を身籠りにくい貴族夫人は多い。
その理由は解らないけど、私は結婚して一年足らずで妊娠をした。

その所為で他所から恨みを買い、義母に関しては蔑んだ目を向けられた。
子ができる事は喜ばしい事なのに、私が育った領地では皆が喜んでくれたわ。


でもここは王都。
しかも王位貴族の常識は違うのだ。


当初ジャネットが生まれた時は落胆の声と不義を疑われた。
その理由は妊娠するのが早いからだ。

別の男の間に生まれたのかとも言われたけど。
でも、鑑定結果に、私が嫁いでからは侍女が常に傍にいたので不可能だったわ。

疑いを持った事を詫びる事もなく。

「まぁ貴方なんかに手を出す男がいるはずがないわね」

「疑われるのが悪い…もう少し毅然とできないのか」

「母親になるのになんて情けないの」


どんな態度を取ったとしても二人は私を責めるだろう。
違うとはっきり言っても姑に逆らうとは生意気だと言うし無駄な事を言うべきでなないと判断した。


ジャネットが加護を持っていると解るや否や義母はジャネットを私から引き離し早々に乳母や侍女を用意して私は関わる事を極端に減らした。


私が会いたいと望んでも乳母や侍女に止められ。
まるで義母と侍女が結託しているようにも見え、ジャネットも義母を慕い私に懐く事はなかった。


それでもお腹を痛めた子だ。
愛していないわけではないのに、距離ができる中。


そんな私を蔑む義母の侍女。
未だに侯爵家で女主人として認められない私を夫は支えてくれた。


義母が邸を空ける数日間。
夫は私との時間を作って精神的に支えてくれた。

その後に子を身籠った。

だからこの時誓ったの。


この子は私の手で育てる。
義母に奪われたくないと強く、強く願った。


神様は私の願いを叶えてくれた。

次に生まれた娘は加護を持つ事がない平凡な子だった。
義母は落胆し、義父も蔑んだ目で見ていた。

でも私にとってこの子は天使だった。

聖女になる存在のジャネットよりもずっと優しい光を私にくれたのだから。

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