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2祖父母
しおりを挟む私の淑女教育の酷さは大問題だった。
幼少期から私は両親の元にいてお姉様はお祖母様の元で厳しく育てられていた。
一族の中でも加護の力が強い事。
そして長女であるが故に祖父母に可愛がられていた。
対する私は嫌われてはいないとは思うけど、少し厳しい目で見られていた。
「ジャネットは優秀なのに、サーシャはどうしてそうなの」
「跡継ぎではないにしても…」
等と言われることが多かった。
長女故に幼少期から厳しい教育を受けたお姉様は休む暇もなく、長子である故に乳母や侍女に囲まれて育っていた。
対する私は傍付きの侍女はいるけど、お母様の傍で育てられたのだけど。
「母に甘えてなんて情けない」
「ジャネットは甘える事もなかったというのに。母親の育て方が悪い」
私の出来が悪い所為で今度はお母様が責められるようになった。
そんな折、久しく家族で食事をする事があったが…
「カルア、ジャネットにばかり厳し事を言っているそうだな」
「そんな‥お義父様、私は…」
「口答えは良い。噂になっている。社交界の振る舞いに関して随分と酷い言い方をしているようだな」
「私は、少し同年代の令嬢に対しても優しくと…」
「くだらないことを言うな。どうせ嫉妬だろう。お前よりもずっと出来がいいからな」
「そうよ。何様なの」
家族そろっての食事は喉が詰まるような会話だった。
「大体…」
「うぐっ!」
「サーシャ、どうしたんだ!喉に詰まったのか」
ただし私は本当に喉に詰まったのだけど。
「ゲホゲホ!」
「水を!」
「はい!」
お母様が背中をさすり、侍女に水を持ってくるように言ってくださったけど。
「何てマナーの悪い」
「何処までも出来が悪いんだ」
「申し訳ありません、お祖父様、お祖母様」
更に空気は悪くなった。
「お母様、ごめんなさい」
「気をつけるのよ」
「食事中にする話ではなかったな」
隣でお水を差しだしてくれたお父様は変わらず表情は厳しいものだったが、何故か頭を撫でてくれた。
「ジャネット、食事の後にいらっしゃい」
「お前に贈り物がある」
「本当ですか」
言うまでもなく二人は私の存在を無視し、お姉様に贈り物をしていた。
「まぁ、素敵な髪飾り」
「今度の夜会に…貴女に似合うと思って」
とっても立派な髪飾りだ。
しかも青い薔薇とは豪勢だと思ったが…
「お義母様、ジャネットには高価すぎ済ます」
「そうです。二週間前にもドレスを新調して…」
「サーシャには必要ない。くれぐれも姉の物を欲しがる出ないぞ」
「そうよ。サーシャには必要ないわ…これ以上ジャネットの迷惑にならないようにね」
別に欲しいと思ってないのだけど、髪飾りを見ていた所為で勘違いをされてしまった。
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