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最終章運命の先
閑話2.嵐の中
しおりを挟む空が黒く染まり、風が荒くなる。
雨が降り出し、天気が大荒れになる中馬を入らせる騎士がいた。
「クソ!急げ!」
「今焦っても何もなりませんよアルフォー
ド!」
「解っているが、奴らがこんな真似をしていたとは!」
疾風の如くスピードで駆け抜ける二人の騎士、アクセレイとアルフォードは学園に向かっていた。
「悪魔を呼び寄せ、あれを召喚するなんて正気の沙汰じゃない」
「ああ…バルトークの馬鹿が!世界を沈黙に導く気か!」
空が二人の不安を煽るかのようだった。
光一つ見えず、すべてを覆いつくし、すべての生き物を死に誘う闇に最悪の事態を予想する二人は目的地に急ごうとするが。闇が二人を襲い掛かる。
「闇魔法です!」
「クソ、気づかれたか!」
黒魔術の魔法陣から雷撃が落ちる。
手綱を強く引きながら雷撃を避けるが、圧倒的不利だった。
魔法陣からは魔獣が召喚され、今にも襲い掛かりそうだった。
「せめてロバート殿達に伝えなくては!」
「これが狙いだろう。俺達が王都を離れ遠征先にいる機会を狙い…封印を解いて邪魔者を始末する!」
「だが、このタイミングで何てあまりにも無謀すぎる」
学園に封じられた悪魔を召喚しても器が必要になる。
よしんば器を得たとしても、召喚するには早すぎると思っていた。
例え上手く行っても学園には多くの魔術師がいるので防がれるはずだ。
「奴らは一体何が目的なんだ」
「国を乗っ取る為に殿下達を亡きものにする手段は他にもあるはずです。態々こんな危険を冒す必要はないはずです」
「ああ、それにラサールで行方知らずになったあの娘…気になるんだ」
「恋でもしましたか?」
「ぬかせ!この色ボケが!」
この非常時に冗談を言う余裕はないはずだが、冗談でも言っていないやってられなかった。
「まったくもって…あの男は馬鹿ですね!」
「ああ!殺しても死なないから質が悪いぜ!」
文句を言いながら襲ってくる魔獣を薙ぎ払い浄化していく。
彼らは黒騎士と白騎士故に強い魔力だけでなく浄化能力もあった。
「いっきに潰して進むぞ」
「ええ、転移魔法を使いたい所ですが」
「馬鹿を言え、魔力の消費が激しんだ。最後の為に取っておくべきだ」
体力を温存する為に高度な魔法はできるだけ避けて戦わなくてはいけないが、間に合わなくなってしまえば意味がない。
「封印する際に、絶対に必要な最後の三種の神器を届けなくては」
「ああ!その為にも急ぐ必要がある!」
二人は先を急いで行った。
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