ある公爵令嬢の生涯

ユウ

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第七部可憐な皇女と聖騎士

31、明かされた秘密

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もはや黒歴史と言ってもいい程の秘密を明かされ、一同は白い目でクロードを見る。

「そんな目で見るな!」

唯一、白い目で見ていなのはミシェルぐらいだ。


「でも、先代がそうだからと言ってクロード様もだなんて」

「ミシェル…」

やはりミシェルは味方だったと安堵する。

「甘いぜ、男が女に興味を抱く時期と性に興味を出す時期がある」

「ユランさん!」

真っ赤になってルークが咎めるが自然な事だった。


「男が成長段階で異性に興味を示すのは思春期、早い段階では12歳から興味を持ち始めるが…その割にはなんていうか」

「殿下はそっち系ではありませんわ。至ってノーマルですわ…まぁ先代は両刀でしたが」

「そんなことは聞きたくねぇ」

祖父の性癖なんて聞かされたくなかった。


「殿下は毎日性欲抑制剤を飲んでましたので」

「だから、俺の秘密をペラペラしゃべるんじゃねぇよ」

「ここまで来たらいいではありませんか」

もう穴があったら入りたい気分だった。

「ですが、体に良くないのでは?」

「仕方ないだろう、理性で押さえようとしてもどうにもならない時を考えるとな」

体には酷だと思っても力で無理矢理女性を手籠めにする酷いやり方だけは許せない。


「欲望のまま女を抱いて、傷つくのは女だ」

体はもちろんのこと心も傷つけてしまう。


「俺は欲望だけで女は抱かねぇ」


きっぱりと言い放つクロードにエステルは胸が高鳴った。


(ずっと耐えていらしたなんて…)


これまでエステルに手を出さなかったのはクロードの真意を改めて思い出す。

大事にされていたし、思いを通わせる前から直撃な思いをぶつけられキスをされて優しかった。


(ずっと大切に思われて…私)


思いを通わせてからも一線を越えそうになったが、寸前の所で止めてくれた。

本当なら欲望のままに奪ってしまいたいはずなのに我慢をしてくれたのだ。


「男とね!!」

「クロード様、貴方こそ高潔なる方です」


サブローとジークフリートは涙を流した。
己の欲望と戦い、他人を傷つけないように努めるのは並大抵の苦労ではない。

その上薬を服薬してまで抑える行為に二人は本当の男だと思った。


「クロード様、何としても侯爵閣下に認めさせましょう」

「俺も協力すると!」

二人はクロードの一途な思いに涙する。
こうなったらなんとしても認めさせなくてはと意気込む。

「でも、どうしたらいいのかしら」

ミシェルは貴族の結婚は王の許可の元行われるが、高位貴族の場合は両親の同意も絶対条件だった。

「どうしたら…」

敬愛する父にも認めて欲しい。
両親に祝福されて結婚したいと思っていた。


「そんな顔をするな」

「クロード様」

もし認めて貰えなかったら他の男と結婚しなくてはならなくなる。

それだけは嫌だった。


「俺はお前を手放す気は無い」

「はい…」

エステルもクロードの手を二度と話すような真似をしたくない。

回り道をしてようやく二人は結ばれることができた。

(もう、私は未来を諦めない)

かつての自分であれば、すぐに諦めてしまっていたかもしれない。
でも、運命は自分で切り開くものだとクロードが教えてくれたのだから。


もう二度と諦めたりしない。


(私は未来を切り開く!)


愛する人と明日を生きるためにエステルは覚悟を決めるのだった。

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