義妹ばかりを溺愛して何もかも奪ったので縁を切らせていただきます。今さら寄生なんて許しません!

ユウ

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194絶叫

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その後は言うまでもない。
高齢である二人に申し訳ないけど抑え込んでもらい背中に印をつけた。

「あぁぁぁぁ!」

「喧しいな。この程度我慢しろ」

「いだぁぁぁい!」


本当にこの男は何処までこらえ性がないのかしら。
被害者はこの何倍も痛い思いをしたというのにこの程度の痛みも耐えられないのか。


痛みに耐えきれなかったのか気絶をしたがすぐにバケツに入っている冷水をかける。
激痛が伴う程の熱い温度の後にはこれが痛いだろう。

肌に無数の針を刺すよりもずっと痛みが酷いはずだわ。
痛みで目を覚ますエセルバートは涙目で私を睨み言い放つ。



「酷い…酷すぎる」

「どっちがだ。アリアは貴様の所為で数年間耐えて来た。夢の中でもアリアの悪口を言っていたぞ。本来なら殺してやりたいんだがな」

「あがっ…ぐるじい」


胸倉を掴むエレンディス様。
背後では毒草を握る二人も本気だろう。


「ジョイルは私達の大事な友だった」

「こんな屑の為に爵位を断ったジョイルが哀れでならない。王都の執事のほとんどはジョイル教え子だ」

「なっ…」

刑罰を終えた後に逃げ隠れして生きるのはどれ程辛いか今から身を持って知るべきだわ。


だって既に顔も知られている。

「刑罰を終えた後に働く場所もなく、お金も食べる物もない中、苦しんで生きてください」

「アリア!頼む…もう一度やり直そう。許してやるから」

「触らないでくださる?黴菌が移るわ」

伸ばされた手を私は踏みつける。
既に情なんて全くない私はその手を踏みつける。


「情けない男。最後まで誰かに寄生するしか能がないのね?」

「アリア…」

「気やすく名前を呼ばないでくださる?今後貴方は厳しい取り調べと拷問が待ってますわ」


ずっと野放しにしていたのは地獄を見せる為。
そして残った希望を踏みつぶす為でもあったのだから。


「牢獄から出てきたら覚えて置け」

「私達も貴方を許さないわ。もし見つけたら殺してしまうかもしれないわね?」

「あっ…あああぁぁ!」


再び絶叫した後にエセルバートは気絶した。
精神的苦痛と肉体的苦痛が合わさったので意識を保てなかったのだろう。


「これで終わりです」

「私達からすれば物足りませんが、意識を失っている間もあの高炉により悪夢を見るでしょう」

「今はこれで納得しましょう」


本当の悪夢は始まったばかり。
本番はこれからなのだから。


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