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145最強コンビ結成~エレンディスside
しおりを挟むなんとなく兆しはあった。
認めたくないが、この二人は何処か似ているんだ。
騎士の娘でこれまで腐敗しきった社交界を見て来たエレナ。
特権を利用して弱きものを虐げて来た貴族を憎むバルト。
二人は立場こそ違うがよく似ている。
本当に似ていると思ったんだ。
だがここまで意気投合するとは夢にも思っていなかった。
誰が思っただろうか。
この二人がここまでするなんて。
「案外チョロいですわね」
「軟弱だな。少し軽い脅しをしただけなのに」
「情けない男」
いや、気絶するなと言う方が無理だ。
本気ではないにしても惨いぞ。
「冗談だよな?エレナ…」
「まぁ、旦那さまったら」
「エレンディス」
悪魔の微笑みを浮かべる二人だが冗談だろうと思ったのだが…
「私は常に本気です」
「言葉には責任を持たないとな」
悪魔だ。
この二人は慈悲の欠片もない。
「お前達…」
「当然ですわ」
「それにその後が楽しいじゃないか。まるで罠にかかったのを高みの見物するなんて最高だ」
同情はしないが哀れだ。
過去にアリアを侮辱した事は許せないが、これは殺すよりも惨い。
「旦那様、奥様には他言無用ですわ」
「解っているな?妊娠中の妻に負担を与えるなよ」
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「カスティージョの関係者はすべて潰します。もちろん何もしなかったあの馬鹿当主もそれ相応の報いを受けさせますわ」
「何もしなかったんだ罪深いぞ」
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言えば傷つくだろうし、これ以上カスティージョの事で苦しんでほしくない。
なのだが。
「フフッ…どう料理しようか楽しみですわ」
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やり過ぎないように見ておかなくてはならない!
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