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64怒り噴火~侯爵夫人side
しおりを挟むアリアが身一つで追い出された経緯を聞き私はすぐにあの家族を殺してやりたかった。
「今すぐ影を呼びなさい!」
「お待ちください侯爵夫人!」
「エレンディス!お前は悔しくないの!」
離縁したのは良い。
でも身一つで放り出し、あの男は追いかけもしなかったと聞く。
季節は冬、天候も悪くその後雨が降り出しそうだった。
「今は彼女を」
「そうだったわ。あのハイエナは後でどうとでもできるわ」
急いで早馬を用意してアリアを守らなくては。
幸いにもアリアは聡明だった。
万一追い出された時の事を考え、幸いにも使用人が後を追いかけたらしい。
ジョイルという老執事は貴族社会でも有名な程だわ。
かつては執事育成学校で教員を務める程でSSランク執事の称号を持つほどだ。
そんな彼を主として認めさせるとは流石アリアだわ。
彼を認めさせたとなれば多くの執事からも一目置かれるはずだわ。
「それにしても何処までも私の顔をに泥を塗る気かしら?そもそもアリアの背後に私がいると知っての事かしら?アリアを粗末に扱う事がどうなるか」
「解ってないのかもしれません」
「ならば思い知らせてやりなさい。カスティージョ家を徹底的に蹴散らすわ」
執事に命令して私はすぐにロベルペール家に連絡を取ることにした。
案の定、彼女は相当怒っていた。
「反省をまったくしていないそうね」
「ええ」
「私はアリアの誠意に負けて許しましたのよ?馬鹿家族を許したつもりはない…ええ、カスティージョ家はアリアによって首が繋がったのに」
あの時、たった一人でカスティージョ家を守ったアリア。
第三者は簡単に言うけど、アリアがどれだけ晒し物に合って外を歩けば石を投げられる事もあったのに、あの馬鹿共は何一つ顧みない。
絶対に許せない。
許してやるものか!
「それで私に何をしろと」
「アリアを守りたいのです。そしてアリアの思いを踏みにじった彼等を地獄を」
「私も恨みはありますの」
「ロベルペール侯爵夫人…」
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「えっ…」
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浮気夫からは多額の慰謝料を請求する事になるだろ。
元々は婿養子だったのにやりたい放題をしていたのだから自業自得だわ。
「ではまずはアリアの安全確保ね」
「並行して、あの馬鹿男の近辺調査をさせるわ」
私達を敵に回した事を後悔するがいいわ。
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