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36親友からの罵倒~エセルバートside
しおりを挟む船旅は居心地が悪く、はやく船が到着しないかと思っていた矢先。
海難事故により足止めを受けた。
幸いにも乗客は問題なく船が一か月を止まってしまったが、その間何もできず時間を過ごした。
予定が狂いながらも島に到着した後に僕は商会に向かい。
昔の付き合いのある友人に会いに行くと。
「お前、最低だな」
「は?」
「この状況で奥さんを放って来たのか。このタイミングで幸いとばかりに彼女は他の貴族から糾弾されるとは思わないのか?使用人もほとんどいないんだろ?金は?生活費は?」
「それぐらいならなんとか…」
「なるわけないだろ!何で解らないんだよ」
「だけど、アリアは大丈夫だと…」
「そうやって我慢させてきたんだろ!」
胸倉を掴まれ怒鳴られてしまう。
アリアは我慢をしていた?
確かに母上から厳し事を言われ続けた。
少し行き過ぎな所もあった。
現にメリッサがアリアの大事な花嫁衣装を奪ったが僕は取り返したんだ。
ちゃんと彼女を守って来た。
「お前、本当に解っているのか?このままだと離縁だぞ」
「何を言っているんだ」
「元々アリアはシャドール侯爵夫人のお気に入りだ。カスティージョに嫁がせるのを最後まで反対していたんだ」
「は?」
僕に嫁がせるのを反対していた?
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「俺だったら反対するさ。メリッサ嬢のような我儘で強欲な小姑の家に嫁がせるなんて恐ろしい」
「おい!そんな言い方はないだろ」
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その島で原因不明の病が発症した。
感染の恐れもある事で一か月間隔離することになり島から出ることが叶わなくなり。
王都に帰る為の船に乗れたのはその一か月後。
天候の悪さもあり、王都に到着したのは予定より二か月遅くなったのだ。
三か月ぶりの帰国に僕の心は疲れ果てていた。
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