義妹ばかりを溺愛して何もかも奪ったので縁を切らせていただきます。今さら寄生なんて許しません!

ユウ

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31変わる日々

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ある日を境にロベルペール家の侍女の皆さんが話しかけてくれるようになった。


「アリア、これ良かったら」

「下着、新しいのにしなさい」


お古の下着を使っていた私に新しいのを用意してくれた。

「でもまだ使えますし、こんな上等な品を身に着けるのはダメだと…」

「誰に言われたんです」

「えっ…えっと」

お義母様は常に嫁たる者、それに見合う下着を身に着け、服装も質素でなくてはならないと教えてくれた。


私はこんな綺麗な下着を着てはいけないと。


「何て底意地の悪いのかしら」

「ダメよアリア、体をきちんと整えないと」

「それ以前に旦那はずっと何をしているの!」


お菓子をいただき至福の時間を過ごしている間侍女の皆さんは何やらヒソヒソ話している。

「皆なんて親切なのかしら」

「奥様…」


エレナとジュナが呆れた表情をしているけど、何か悪い事をしたkしら。


「うん、このクッキー最高」

「言ってはいけませんエレナ」


もうすぐここで働く期間は終わる。
何だかんだで楽しかったし、使用人の皆さんは優しくしてもらって残念だな。


「どうしたのアリア」

「ここで働くのもあと少しで寂しいです。もう皆さんに会えなくなりますね」



私はただ純粋に思った事を言った。


しかし――。


「そんなの大丈夫よ!」

「社交界に出るのであれば会えるわ…いいえ、会いに行くわ。お茶会にも呼ぶわ」


ロベルペール家に仕える侍女のほとんどは子爵家以上のご令嬢が多い。
爵位は高くなくとも何代も続く貴族であるので私とは身分が異なるのだが、何故かまた会えると言うのは何故か?


結婚したとしても社交界で挨拶をする事があるって事か。
別れを惜しむようにして私は約束の日を迎えることになったが。


後日、三大商会の一つプリメーラ商会がカスティージョ家との繋がりを持ちたいと申し入れがあった。
プリメーラ商会は隣国とも渡りのある大商会だ。

それだけでなく、一時期は商業ギルドに出入りを許されなかったのに手紙が届いた。
副ギルド長の説得により私が生産している約束を買って貰えることになり。

利息無しでお金を貸してもらえることとなり、私の作った薬草が爆発的に売れた事で借金も直ぐに返す事が出来た。



「ふふっ、良かった」

「これも奥様のおかげですわ」


メラミン病は他国でも深刻な問題になっているのだけど、私の実家。

フリーシア領地では感染する事が無かった。
メラミン病は人から人に感染する心配があるのだけど、予防する事ができる。

その予防方法を伝えた事で私に沢山の仕事が舞い込んで来た。
薬草師の仕事だった。

薬草師は少なく重宝されている。
その中でも報酬が多かったのは調合の仕事だった。

薬草師は少ないが調合師は国に三人しかないと言われているのだけど。

何故か私は調合師の資格があったようだ。



そのおかげで仕事がバンバン来て、傾きかけたカスティージョ家は持ち直したのだ。


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