義妹ばかりを溺愛して何もかも奪ったので縁を切らせていただきます。今さら寄生なんて許しません!

ユウ

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27ロベスペール家の条件

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体で支払う意味とは。


「我が家で一か月メイドとして働いてもらうわ」


「「は?」」


メイドとして働く?

「勿論給金は出しますわ」

「そんな…」

「喜んで!」


私は二つ返事で引き受けた。


「奥様…」

「内容に確認せずに」


だって無償で働くのが道理なのに、お給金まで下さるなんてなんて親切なのかしら。
正直カスティージョ家は先代から懇意にしている商会と手を切られ、残っているのは同情で繋ぎ止めている商会が二つ。


メリッサ様がお邸の宝石を持って行ってしまったし。
邸にはお金はほとんどない。

このままでは使用人の皆にお給金を支払うどころか食べて行くのも厳しいのだから。


「侍女と違ってメイドは水仕事に馬車の掃除に、肉体労働…」

「得意分野です。煙突掃除でも何でもします」


百種貴族と言っても、邸の手入れだって使用人任せじゃなかった。
王都の貴族のように使用人を沢山雇えないし領民は年配の人が多かった。


「そう言ってられるのも今の内よ」


不敵に微笑む侯爵夫人に二人は冷や汗を流した。



「絶対なりません!」

「団長さん」

「羊を飢えた狼の中に放り込むようなものです。しかもロベスペール侯爵夫人の実家は辺境地。竜が住まう谷の近くです」

「えーっと…」

「気性の激しさは有名です。何をさせられるか…竜騎の世話を任されるかもしれません」

「竜騎…」


竜族の中でも空は飛べないが馬よりも早く肉食の竜族だ。


「すごい!本物の竜のお世話ができるんですね!」

「ダメです。奥様がやる気に…」

「ああ!なんて事でしょう…メイドなんてなったら苛められます。しかも泊まり込みだなんて」



日帰りではなく期間中は泊まり込みと来た。
食事も出してくれて眠る場所も用意してくれるなんて待遇だ。


「アリア様、解っていますかメイドの仕事は…」

「明日から頑張って来ます。これも嫁の仕事ですよね!使用人を飢えさせるわけには行きません!」


「奥様ぁぁぁぁ!」


大きな声を上げて泣き出すジュナ。
そんなに心配しなくても大丈夫だと思うんだけどな。

「大丈夫よ。私は丈夫だから一日一食でもなんとかなるわ」

「は?」

「大丈夫だから!」


団長さんもそこまで心配しなくても良いと思うんだけどな。


「旦那様も現地で足止めされててしばらく帰れないんでしょ?その間に頑張るわ!」

そうよ、今も踏ん張っているエセルバート様の為にも頑張るぞ!



「エレナ…頼みましたよ」

「はい」


私の気合とは別にジュナとエレナが何を決意したような表情をしていた事に私は気づいていなかった。


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