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22邸の主
しおりを挟むロベスペール侯爵家に謝罪をしようにも手紙は受け取ったが、面会することはできなかった。
「やはりだめでしか」
「はい、申し訳ありません」
「やっぱり私が直接出向きたいのだけど」
「ダメです!」
即座にジュナに止められる。
貴族の奥様が約束も無しに邸に出向く事はマナー違反だった。
相手方にも迷惑がかかる。
「エレナごめんね」
「奥様が謝る理由はありません」
私の代わりに手紙を届けに言ってくれたエレナは酷い扱いを受けたいた。
酷い時は水をかけられて、なのに嫌な顔をしないで。
「私が代われれば良かったのだけど」
「奥様自覚をお持ちください」
最近私はエレナを怒らせるような事ばかり言っている気がする。
「女主人はドーンと構えていれば良いのです」
「エレナ!言葉が過ぎますよ」
「ですがジュナ様。奥様はご自分を過小評価し過ぎです。あまりそんな態度では平民にも舐められますわ。今この邸の主はアリア様です」
「え?」
私はあくまでこの邸の留守を預かっているだけで代理だわ。
「エレナ…私は」
「奥様!大変です」
「ジョイル?」
切羽詰まった表情で現れたジョイルに首を傾げた。
「どうしたのですか?」
「ジョイル様が珍しいですね?馬鹿息子が帰って来たのですか」
エレナ…
何でエルセバート様に対してここまで手厳しいの?
私には良くしてくれるのに。
「ロベスペール家から手紙が届いております」
「え?」
ずっと手紙を送っていたのに、返事がなかったのに。
「お茶会に招待…やったわ」
これで正式にお会いして謝罪ができるわ。
「やったわではありません!」
「え?」
「このお茶会…高位貴族も参加するお茶会ではありませんか!」
「そうです。どう見ても公開処刑…皆の前で集団リンチじゃないですか」
「エレナ、言葉遣いに気をつけなさい」
私がお茶会に行くことは危険が伴うのか。
確かにロベスペール家と友好的な方は私達は悪者だろう?
「ちょうどいいわ」
「何がです」
「社交界の事を知るいい機会よ。それに既に最低なのよ?これ以上最低にならないわ…いくら何でもお茶会に刺されるなんて事はないでしょ?」
「奥様…」
「大丈夫よ!カスティージョ家に来て鍛えられたわ」
それに領地にいた時も私達は王都から来た貴族や文官から嫌味を言われることもあったし。
例えどんな悪意でも耐えて見せる。
カスティージョの嫁として役目を果して見せる。
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