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第三章
27追い打ち
しおりを挟む狭い村で喧嘩をして隣近所を巻き込んでしまった事で騎士に連行されて行った。
村人達はこれ以上放置していたら自分までも被害が行くと思ったので強行突破に出たのだっが…
散々注意を受けて、理由を聞いた騎士は頭を抱えていた。
何故なら原因を双方に聞くも互いに同じような事を言っていただけだ。
「私は悪くないわ!被害者よ!」
「私は悪くない!あの姑が悪いのよ!」
二人共自分がさも被害者だと言って嘘泣きまでする始末で騎士達も困り果てた。
隣近所からの証言を元にしてとりあえず家に帰す事にした。
しかしそこでまたしても問題が発生した。
「どうしてくれんだ!」
「アンタ達の所為で俺達はもう終わりだ!」
二人が家に帰ってきてすぐに訪問者が現れた。
キュロスとメジャーが乗り込んで来たのだった。
「何よアンタ達」
「勝手に人の家に入って常識がないわね」
「常識だと?」
「お前にだけは言われたくない!」
互いに罵り合いが続く中キュロスはセリアと離縁した所為で全てを失い。
新しく事業をする事もできず借金だけが膨れ上がって、転々と職を変えながらこの村にたどり着いた。
「アンタ達の所為で負債を抱えたんだ。慰謝料を支払え!」
「そうだ!妻が出て言ったのも全部お前達がくだらない計画を立てた所為だ…こっちは生活もままならない」
二人は今回の原因は全てライアンの所為だと思い込んでいた。
ライアンが持ちかけた事ではあるが、賛同したのは二人なのだが。
「馬鹿を言わないで」
「何だと?」
「アンタ達もセリアと別れたがっていたじゃない。可愛げがないって…なのに今さら」
「あんなの…」
本気で言ったつもりはなかったキュロス。
自分に従順にならないのが気に入らなかっただけで、ミリアを追い詰めて身の程を解らせる程度だったがその考えがそもそも間違いだと未だに気づいていない。
「この家にお金なんてないわよ!」
「何だと!じゃあどうするんだ」
「夫はどうした!」
「出て言ったわよ!もういいでしょ帰って!」
言い争いはヒートアップする中、村人達は耐え切れず。
「この村から出て行ってくれ」
「え…」
「アンタ達の所為で皆迷惑しているんだ…この村から出て行ってくれ」
村の村長が我慢できず署名をかき集めて村人全員の一致で二人を追い出す形になった。
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