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第三章

25糸を引いたもの

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「やっぱり読みが当たったわね」


テーブルに並べれられた手紙の数々。
公爵家に出入りしていた商人が闇商人である事が解った。


秘密裏でやり取りをしている目撃情報に手紙を読みながら冷たい目をしていた。


「カナリア。手紙を握りつぶすんじゃない」

「本当に目障りな女…まだ懲りないのかしら」


これまで陰湿な嫌がらせをされて来たが倍にして仕返しをした。
公の場で手を出して来たけどあらかじめ布石を投じておいたので倍にして仕返しをして悪役に仕立て上げた。


これまでクリスティンの所為で苦しんでいた貴族も少なく無い。
身分至上主義で公爵令嬢である事を良い事にやりたい放題をする彼女に良い薬になれば良いと思った。


クリスティンの侍女を捕らえで洗いざらい吐かせ、ドレスを入れ替える事に成功したのだった。
侍女には何食わぬ顔でクリスティンの元に戻った後に寝返るように告げたのだが。


「あの方にしては知能的な方法を取りましたわ」

「カナリアを直接攻撃するようにするとはな」

クリスティンの考えは中々の物だったが、悪知恵だけは随分と働くと思ったカナリアは関心をしてしまうが。


「地位とお金があっても、使い道が間違っている」

「カナリア」


「既に隣国で動いていた愚か者は押さえました。オイシス家は身動きが取れないでしょうね」


クリスティンがライアンを援助する代わりに取引を持ち掛けていた。
ミリアを精神的に苦しめ、セリアを追い詰めていた。


「だけどクリスティン様は何も解ってない」

お金で、権力ですべて思い通りになるはずがない。


「セリア様はミリアを様をどれだけ慕っていたか」

「姉妹の絆を知らなかったんだろう」


血がつながらなくとも強い絆が生まれていた。

「血は水より濃しといいますが、その逆もありますわ」


二人は血の繋がった姉妹よりも強い絆を結んだ。
どんなに辛くとも自分の保身よりも姉、妹の事を思いやったのだから。


「これまで好き勝手したんだ。俺も出る所を出るつもりだ。準備はしていた」

「例の不正ですね」

「ああ、ようやく証拠を掴んだ」


シャーロット公爵家。
王族と遠縁となる公爵家だが、裏では不正を行っており現国王も警戒をしていた。

だが相手は公爵家故に簡単に手を出せなかった。
不正を行った物証を見つけるまで裁く事も出来ないし、高位貴族を捌くのは至難の業だったが。


今回のクリスティンの一件で物証を見つけることが叶ったのだ。
それに加えてこれまでカナリアに対する暴行や痛がらせ受けていたこともあるので全て突きつける事を考えていた。

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