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第三章
14優しい姑②
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本来ならば家格が釣り合っていないセイラとキュロスの婚姻には姑であるリタが関わっていた。
商家の家に養子縁組をされたセリアは家族に大切にされながらお世間は冷たかった。
ミリアに嫉妬を抱く同年代の少女達はアルソート家に悪い事が起きればすぐにセリアの所為にして疫病神だと噂を流していた。
町でも、学校でもセリアにとっては同じだった。
優しい姉を気遣う余り、平気な振りをして一人教会で泣いていた。
外で泣く事は出来ず、家でも泣けなかった。
ミリアが自分の所為で傷ついてしまう。
ただでさえ、敵対する商家から圧力を受けているのだから。
そんな折、教会で一人の女性に声をかけられたのだ。
「見っともない。言い返すぐらいなさい」
「えっ…」
「泣いているだけでは何も変わらないわよ。やり返すぐらいの根性を見せなさい」
いきなり声をあっけて来た女性はセリアに同情することはなくそれどころかセリアを責めた。
「ここで貴女が耐え忍んでも彼等は憂さ晴らしに繰り返すわ」
「憂さ晴らし…」
「そうよ。第一、貴女のお姉さんが病気になったのが何故貴女の所為になるの?馬鹿馬鹿しい」
「えっ…」
「ああいう連中は自分がどれだけ馬鹿な事をしているか理解していない笊馬鹿なのよ」
遠慮のない物言いだったが、セリアの心を救ってくれたのだった。
「あの…」
「私はこの近くの農家のリタよ。リタ・サステナルよ」
「セリア・アルソートです」
これが二人の出会いだった。
その後も二人は度々会う様になり、会う回数を重ねるごとに二人は親しくなった。
そんな折、サステナル家の農地が不作が続く中。
セリアは手伝いをするようになった。
物づくりのが得意なセリアはアルソート家の事業の手伝いをしている。
特に花の手入れが得意だった事から助言をする事でサステナル家の農地を救う事が出来た。
そんな折、リタを手伝う中キュロスと知り合ったのだ。
同時期にアルソート家に舞い込んで来た見合い話が来ていたのだが、ミリアとエスターが思い合っている事を知り悩んでいた。
働き者で明るい性格のセリアをリタは気に入り、一緒に過ごすようになりキュロスとも親しくなった事でリタがセリアを嫁に欲しいと頼み込んだのだった。
セリアからすればキュロスは嫌いではない程度だった。
友人以上恋人未満だったがリタを慕っていた事で受け入れたのだった。
結婚生活は裕福ではなかったが充実しており、結婚して直ぐに子供を身ごもり、幸福な時間を過ごしていた。
リタとの関係も良好だった。
しかし子供を産んで、母となってしばらくした頃にキュロスは変わり始めたのだった。
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町でも、学校でもセリアにとっては同じだった。
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「あの…」
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