婚約者は愛を選び、私は理を選んだので破滅しても知りません!

ユウ

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第三章

10予想外

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レオンハルトとアレーシャが国を出て三日。
心配しながらもユリアから手紙が届き安堵するのも束の間。


「これは…」


手紙の内容を読むよ、表情が一変するエンディミオンは。


「誰かが胃薬を!いや頭痛薬を」

「殿下!」

側近が急いでエンディミオンに駆け寄り、もう一人の側近は薬と水の準備をしながら叫ぶ。


「侍女!すぐにカナリア妃をお呼びしろ!」

「殿下!気をが確かに…脈が!」


執務室は混乱して大騒ぎになってた。


(予測外にも限度があるだろう!)


手紙を床に落としながら頭を抱えるエンディミオンはそのままソファーに倒れこんだ。



「一体どうされたというのだ」

「ああ、殿下が倒られるなんて」


「あら?随分と賑やかです事」


「「「カナリア様!」」」


音もなく背後から現れるカナリアに一同は驚く。


「何時からいらっしゃったのです」

「ふふっ、私は元女官ですわよ?気配を消して気づかれずにいるなんて動作もない事ですわ」


笑顔のカナリアに側近は思った。


普通女官ではまず無理だ。
諜報員レベルの気配の消し方に一言モノ申したい気分だったが。


「エンディミオン様、どうなさいまして?」

「カナリア…兄上達がやらかしたぞ」


床に落ちた手紙を侍女が広い、カナリアに差し出すと内容は…



ユリアからの報告ではあるのだが、その内容が大問題だった。


「これは…まぁ」


手紙の内容には――。



「セリア様が離縁とは」

「問題はそこではない」


手紙には、今回のいわれのない噂を流されたミリア。
そしてミリアの産んだ赤ん坊を引き渡せと騒ぐライアンがセリアをも責め始め、セリアの夫が色々やらかした事により夫婦関係は壊れ、セリアの夫キュロスが口汚く罵倒し。


しかもあろうことは身分を隠していたアレーシャを侮辱し男尊女卑を当然であるかのように言ったのだが、全て計算で、アレーシャは狭い村で女性を侮辱する事をわざと言わせ、孤立させようとした。


しかし、セリアは耐えかねたのか、離縁を受け入れ姑と共に果物園を捨て縁を切ったのだった。



同時に今回の事を引き起こしたライアンを訴えると言い出したのはセリアの姑で、彼女は実の息子であるキュロスを勘当し、家から追い出した後にライアンにこれまでの精神的苦痛を訴える始末となった。


「兄上と義姉上はなんて真似を」


ある程度のトラブルは覚悟を決めていたが、ここまで大事になるとは思ってなかったのでさらに胃が痛くなるエンディミオンだった。


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