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第三章集う光の使者
4パーティーメンバー
しおりを挟む大人数では危険という事で護衛の騎士は断り、最低限の人数で神殿に向かう事になった。
しかしその神殿は人を試すので森に入ってすぐは魔力は一切使えないので危険が伴う。
唯一仕えるのは光魔法ぐらいだった。
「神殿の近くには多くの罠がしかけられているだろう」
「そうなると魔力は意味がありませんわね」
装備品も王家の秘宝となる武器ぐらいしか使えない。
「退路は守ろう…万一の事もある」
「私達は神殿まではいけないからね」
魔族であるエリー達は結界に阻まれ入る事はできなかった。
その間に帰り道を確保する必要があったのだ。
「地図から言えばここから入る」
「えっ…ここは」
「ああ、アンタの祖母、ディーが眠っている墓だよ」
とても不思議な縁だった。
その森を覆いつくす海の近くに墓があり、ディアンヌが眠っているのだ。
「馬車で近くまで向かい、そして歩きで守に入るんだ」
「はい」
「準備は直ぐに終わるでしょう。その前に…」
足音が近づきノックの音が聞こえた。
「失礼します」
そこに現れたのは。
「お兄様!」
「オンディーヌ」
あの日別れたまま会う事もできなかったジルフォードだった。
「お兄様」
「会いたかった、オンディーヌ」
二人は久々の再会に抱擁を交わした。
「良く戻って来てくれた」
「お兄様、ごめんなさい」
あの日侯爵家を追い出された後もジルフォードの事が気がかりだった。
オルフェスの言いなりの良心とは違いジルフォードは最後までオンディーヌを庇うべく動いてくれた。
けれど爵位を継承していないジルフォードにできる事は限られていた。
「あの時守ってやれなくてごめんよ」
「お兄様…お父様とお母様は」
「二人は領地に引っ込んだ」
(そんな…)
オンディーヌは自分の所為で二人は若くして隠居生活を余儀なくされたのかとも思った。
そうなればオルフェスはと思うと。
「お祖父様は爵位と領地を返上し平民となった」
「なっ…そんなの!」
オンディーヌはここまで厳しい処分を受けるなんてありえないと思った。
少なくともあの出来事は家同士まで巻き込んだとしてもここまでする必要はないのだから。
「勘違いしないで欲しい。お祖父様はご自分から責任を取り、爵位を私に引き継がせたんだ。すべての手続きをしたのはお祖父様だ」
「オンディーヌ…」
(どうして…何故です!)
オルフェスの気持ちが解らない。
ここまでする必要と地位をすべて捨ててまで何をしたかったのか理解できなかった。
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