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第一章光の少年と癒しの歌姫

32凍てついた神殿

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その頃オンディーヌはエリーとジオルドから離れた後海底神殿の奥にたどり着いていた。


女王陛下の加護がない所為でこんな…


ここに来るまで、神殿は冷たくかつては美しい神殿だったのに凍り付いていた。

その氷を解かさなくてはならない。

しかしオンディーヌが一歩足を踏み入れ女神像に触れると。


「え?」


女神像に違和感を感じる。


「違う…これは」


――ドクン!


鼓動が聞こえた。


「もしかしてこの石像は…女王陛下?」

手に触れながらオンディーヌは耳を澄ませると。


『ようやく気付いてくれたのですね、ローレライ』

「もかしかして私を呼んだのは女王陛下だったのですか?」

『手荒な真似をして申し訳ありません」


あの時、オンディーヌだけを引き込んだのはアムピトリーテの意思だった。


「あっ…」


女神像の目の部分が光立体化する。


「私は海を統べる女王、アムピトリーテ。今は深い眠りについています」

「どうしたら陛下をお救いでるきのですか」

「再び真珠に輝きを…そうすれば私は」

「女王陛下!」


立体映像は揺れる。

「お願いですローレライ…もうすぐ海底は暗い闇に閉ざされてしまいます。この神殿のように海が凍り付く前に…お願いです」

「陛下!」


アムピトリーテはそのまま消えてしまった。


「もう時間がない」

急がなくてはならない。

「命の泉を急いで探さないと…」



周りは凍り付き、何処にあるか解らない。


「雫が落ちる音?」

全てが凍てついている中、雫の落ちる音が聞こえた。


「あそこの壁!」


神殿の奥に進むと壁には絵が刻まれていた。

その真ん中に穴がある。


「これは…きゃあ!」


穴の部分が光る。
まるでオンディーヌの真珠のペンダントが反応しているかのようだった。


「扉が開いた…この先に」


雫が落ちる音が近づいて行く。


「この先に…」

足を進めると、大きな泉が見えた。


しかし泉の水は穢れてしまlっつていた。


「酷い…これじゃあ」


急いで泉を浄化しなくてはと思い泉に近づくも。


「えっ…」


背中に痛みが走る。


「きゃああ!」


無数の針が飛んで来た。


「これは…」


泉に近づく者を特別な力が拒絶していた。

「うっ…」


傷だらけになるオンディーヌは這いつくばりながら前に進む度に無数の針が襲い掛かる。


「あああ!」


真っ赤な血流れるもオンディーヌは進むことを止めなかった。


(あと少し…あと少し)


泉の中に入れば歌で水を清められると思ったが、更なる困難が待ち構えていた。

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