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最終章.自称悪役令嬢の果て
8.女性だけの職場
しおりを挟むマリーを筆頭に、新たな商会が作られた。
女性だけの商会で、名をルピナス商会と名付けられた。
これまで多くの商会はあったが女性だけの商会は何処にもなかった。
効率化を考え、寮も用意した。
商人でも見習いは住み込みをするの珍しくないが、すういった場合は屋根裏部屋や物置部屋をしか用意されておらず。
既婚者で子持ちの女性は通いにされたり、給料が少ない可能性もあるのだが、マリーは様々な部分を考量した。
子持ちの女性には子供を預かってもらえる託児所を作り。
また、10歳以上の子供にも仕事を与え給金を支払うシステムを考えたのだった。
子供を持っている所為で、真面に働けない女性や雇ってもらえない女性にとって願ったりかなったりだった。
そのおかげか、片親である女性は当初希望者が殺到した。
寮付き食事つきという働き場所は、給金が高いよりも魅力的だった。
「それにしても、格安の物件を買い取って、その建物を寮にするんなんて」
「あげく、寮母を隠居した元侍女達に頼むこむなんて」
「辺境地では職を持つ事ができない年配の女性が沢山いますし。そんな方に協力してもらい、尚且つ彼女には給金をはずみ、友人を紹介してもらえば寮を増やせますし」
「何所でそんな知識を…私も考え付きませんでしたわ。しかも食事つきではありますが、食事の用意をする者も年配の女性を雇ってされるなんて」
寮母となる女性の補佐をする者、食事を作り提供する者。
寮内の整備を行う者達も同時進行で辺境地から雇い入れる事で費用を削減する事も叶った。
元から働き場がなかった女性達の中には子育てを終え、役割もなく家族から厄介者払いをされた女性も少なくないので、マリー標的を絞ることにした。
「費用も決まっていますし、寮母選びは重要です」
「セレシア様の推薦のおかげですね」
辺境地出身のセレシアの協力もあり、寮母に相応しい女性を選ぶのに困らなかった。
「料理人の派遣に関しては、ロザリア様の推薦状のおかげで早く決まりましたわね」
「たいしたことはしておりませんわ、ジョアンナ様。我が侯爵家は外交をしておりますので、腕の良い料理人で引退をした者が多くおりますので…少しばかり声をかけましたのよ?」
「アネットさんも寮内の掃除婦の助言をくださったおかげで助かりましたわね」
「ありがとうございます」
それぞれ伝手を使い、コストは出来るだけ下げて、人員を確保する事に成功し。
寮では済みやすい環境を整えた後に、仕事に集中してもらえるように勤め、ルピナス商会で働く女性達に優しい職場となった。
そのおかげで早い段階に成果を上げることになった。
その第一歩として作られた製品が狂血病を治す為に作られた茶葉だった。
男性とは異なり女性の方がきめ細やかな作業のおかげで、茶葉の品質改善もできたおかげで早い段階で大量生産が叶うのだった。
そのおかげでルピナス商家の大きな収入源となり、生産者に携わる彼女達に売り上げの三割を給金とする事ができて、貧しい出自の者や、家族に仕送りを必要とする者には臨時収入を支払う事ができた。
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