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最終章.自称悪役令嬢の果て

1.次なる災難

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友人からの協力を得て、狂血病を治すべくハーブを使ったお茶を開発した。
そのおかげで一番被害を受けていた東帝国アルケスから感謝の言葉を貰い、勲章を与えたいとまで言われた。


しかも最高位の薔薇ローズ・シュプリームは勲章の中でも最高とも言われている。
過去に女性で最高位の薔薇ローズ・シュプリームを賜ったのは方で数えるほどで、いずれも国の存続を守るべく対力した女宰相にや、戦争中の敵国との和平を命がけで結んだ者に与えられた者だった。


いくら何でもやり過ぎだとも思ったのだが、アルケス帝国の第一王女が狂血病にかかってしまい、グレースより頼まれたのだ。


当初は一国の皇女に差し出される程、安全性はないとジョアンナに反対された。

しかし、皇女はまだ10歳だった。
マリーも若くして病を患った身で、気持ちが痛いほど解った。

同時に、グレースが姪の皇女の代わりなりたいと涙ながらに訴えていたと聞けば断れなかった。

処刑になる覚悟で皇女にハーブを贈ったのだが、一か月後。

皇女の病は回復に向かった。
食欲も出て来て今では、ベッドから起き上がるまでに至った。

第一皇女は次の第一皇位継承者だったので、マリーは後の皇帝の命を救った事になるのだが…


「ああ、なんて事でしょう。またしても!」

「母上、落ち着いてください!血圧がありがします」

常に問題を起こし続けるマリーは国を超えて問題を起こした。
他国の貴族が最高位の勲章を貰うなんて聞いたことがないし、既にアルケスの皇帝陛下からも会いたいとまでも言われている。


「母上、アルケス帝国は同盟国です。何をそんなに嘆く必要が…」

「チャールズ、万一ですわよ…万一にでも反皇族派から恨みを買ったらマリーはどうなりますの?今でもマリーを認めない貴族は多いのです」


昔ほど過敏に反応しなくなったのはマリーを支持する貴族が増えた事だ。
今でも円満な婚約解消!と声を上げているマリーだが、最近になってリリアンヌはないと思った。

既に両陛下のみならず、側近に大臣や、王族達もマリーが嫁ぐことを望んでいる。
リリアンヌも疑う余地はないのだから、マリーの戯言にしか思っていないのだが、支持されるぎるのも問題だった。


反アルケス派も少なからずいるのだ。
他国との同盟を良く思わない貴族からすれば、マリーの存在は邪魔でしかない。


「これ以上マリーが改革をすれば敵が増えます…ですが、マリーは公爵令嬢として、次期王太子妃として励んでいるので頭ごなしに言えませんわ!」

「母上、ルイボスティーを飲んで落ち着いてください。これもマリーの考案したお茶ですよ」

「あら、ミルクティーにしたのね…って違います!」


王都に来てからチャールズのフォロー役はレベルアップした。
今では母親の精神カウンセラーまで行っている。


「少し落ち着いてください」


リリアンヌの不安は解るが、なってしまったのは仕方ないのだ。

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